2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of thin-film based PiezoMEMS haptic devices
Project/Area Number |
17K06269
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
神田 健介 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (20446735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前中 一介 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (70173721)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | MEMS / 触覚デバイス / ハプティックス / 圧電薄膜 / PZT / フレキシブル |
Outline of Annual Research Achievements |
完全なバッチプロセス対応のMEMS技術によって、人に触覚刺激を与えることが可能な圧電触覚デバイスを実現することを目的としている。さらにこのデバイスの高機能化・知能化を行うことによって、より高度な、人デバイス間における触覚情報の双方向コミュニケーションへの展開を目指している。 H29年度は、従来技術として申請者らが確立している中間電極を挟んだ多層PZT薄膜の成膜加工技術を応用し、感光性樹脂との積層構造によって低電圧駆動かつ大変位可能なカンチレバー構造を試作した。このデバイスの基本的特性評価を行うと共に、触覚刺激を人に与えることが可能かどうかの確認を行った。カンチレバーの先端にシリコン製のマスを配置し、共振振動させることで、運動エネルギを蓄えて人に触覚刺激を与えるデバイスを試作した。 数mm角のデバイスが数Vの駆動電圧で数mmの変位で共振することを確認し、さらに人に触覚刺激を与えることが可能であることを確認した。 次に、根元部位に孤立PZT要素から成る変位センサを形成して、駆動状態のモニタリング可能なデバイスについても試作した。デバイスの変位に対してセンサ信号は線形な出力が得られ、駆動状態のモニタリングが可能であることを示した。さらに人に対して振動刺激を与える際には、デバイスに加えて振動を与えている部位の剛性が結合した共振となることで共振周波数がシフトし、このシフト量からこの振動部位の硬さ情報も得られることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H29年度は、低電圧・低消費電力駆動可能な触覚デバイスを実現するための基盤技術として、多層PZT薄膜の積層技術を感光性樹脂構造と組み合わせる上での製造プロセス上の課題を解決することと、このデバイスの基本的な特性把握を行うことを当初の目標としていた。実績のところでも記載したように、低電圧駆動かつ大変位可能なカンチレバー構造を試作し、このデバイスの基本的特性評価を行うと共に、触覚刺激を人に与えることが可能かどうかの確認を行った結果、数mm角のデバイスが数Vの駆動電圧で数mmの変位で共振することを確認し、さらに人に触覚刺激を与えることが可能であることを確認した。この時点で当初目標をクリアしているが、さらに、変位センサを搭載することによって、駆動状態のモニタリングが可能であることを示し、振動部位の硬さ情報も同時に得られた。以上より当初の計画以上に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は今年度に確立してきた触覚デバイスのさらなる低電圧化を行う。低電圧にすることでマイコン等によって駆動可能になり、センサとも組み合わせた自励発振システムを構築する。これに加えて、多様な触覚刺激を同デバイスで実現可能とするための、アレイ化ハプティックデバイスの開発も行っていく予定である。
|