2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of thin-film based PiezoMEMS haptic devices
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17K06269
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
神田 健介 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (20446735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前中 一介 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (70173721)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MEMS / 圧電薄膜 / 触覚ディスプレイ / ハプティックス / インターフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体プロセスと圧電薄膜を融合させたMEMSハプティックデバイスにおいて,昨年度までに人への触覚提示が可能であることを実デバイスにより検証し,さらにその際の変位をモニタリングする変位センサの集積に成功していた.平成30年度は,(1)当触覚デバイスをウェアラブルIoT機器である,絆創膏型人体モニタリングシステムに組み込むことを想定した低電圧化,(2)支持材料についての再検討,(3)ハプティックデバイスのディスプレイ応用に向けたアレイ化について検討を行った.各項目ごとに実績概要を示す。 (1)低電圧化:ハプティックデバイスの構成要素である圧電薄膜部分に,中間電極を持つチタン酸ジルコン酸鉛薄膜の多層膜を利用することで低電圧化を図った。既に圧電多層膜についてはハーベスタへの応用等において実績があったが,本研究では総厚みを変えずに単層厚みを変化させるという点で異なり,中間電極の応力の影響や圧電特性の劣化等の課題を解決してこれを実現した。デバイス試作評価を行い,層数に反比例した駆動電圧で動作させることが可能であることを実証した。 (2)支持材料の再検討:従来は圧電薄膜と積層させる支持材料にエポキシ樹脂を用いていたが,残留応力が大きく仕上がり形状のコントロールが難しいことや温度特性が悪いという課題があった.これについて,ポリイミドを用いることで温度特性と仕上がり形状の制御性という点で大きな改善が可能であることを実験的に明らかにした。 (3)アレイ化:将来的なディスプレイ化および多様な触覚刺激を人に与えることを目的として,直線状に複数のMEMSハプティックデバイスが並んだ1Dアレイ触覚ディスプレイを試作した。マイコンを用いた駆動システムを構築し,人に複数のパターンの刺激を与える実験を行った.刺激の強弱やパターンの区別が行えることを現段階で確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究実施計画では,本年度は(1)構造の最適化によるハプティックデバイス性能向上,(2)アレイ化デバイスの試作,(3)アレイ化デバイス評価系の構築としていたが,研究実績の概要で示したように,ほぼこの計画通りの内容を実施した.各項目において概ね実施予定の内容については完了しているため,「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画ではウェアラブルシステムへの組み込み,触覚の理解や情報化など基礎研究への発展検討を予定していた。実際に研究を実施してみると人に関する評価の定量化が困難であることが分かったため,脳波計を用いた情報の定量化を実施することを予定している。また,アレイ化デバイスについてはさらに評価を継続して実施していく予定である。
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