2017 Fiscal Year Research-status Report
コンプライアンスに注目した適応クローラロボットにおける対地適応性の最適化
Project/Area Number |
17K06278
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥川 雅之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50290747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 哲也 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20321474)
大金 一二 新潟工科大学, 工学部, 事務系職員 (70255230)
木村 哲也 長岡技術科学大学, 技術経営研究科, 准教授 (70273802)
大坪 義一 近畿大学, 理工学部, 准教授 (90257973)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移動ロボット / 不整地走破 / 対地適応性 / 環境適応 / 移動知 / コンプライアンス / ダイナミクス / 標準試験法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,最適な対地適応性を有するクローラロボットの実現を目指し,(1) 適応クローラロボットにおける受動性と能動性の融合,(2) サブクローラ関節のコンプライアンスを設計パラメータとした構造と制御の同時最適化,(3) コンプライアンス最適制御系設計手法の確立を研究課題としている.
受動適応クローラロボットは,受動歩行と同様に,生物が有するリアルタイム環境適応能力(移動知)を有しているものと予想するとともに,その根拠は,内在するフィードバック構造を有するダイナミクスモデルにあると考えている.平成29年12月27日(水)には,NIST/ASTM標準性能試験法に準拠したテストフィールドによるロボット評価会を実施し,研究代表者及び研究分担者らが所有するロボットに対してデータ収集を行うとともに,ロボットの性能評価方法に関して議論した.平成30年1月22日(月)には,大阪大学の大須賀公一教授を講師として迎え講演会を行った.「ダイナミクスベースド制御の基本」や「陰的制御則と適応機能」などに関する基礎知識の共有を図った.
これらの研究活動を通じて,平成29年度は,コンプライアンス性に注目し,実験や物理シミュレーション結果を詳細に解析することにより,力学的な動作原理を明らかにした.また,受動および能動適応クローラロボットに対するサブクローラダイナミクスをコンプライアンス制御系とみなし,両者を統一的に表現できる数学モデルの導出を試み,コンプライアンス制御系の観点により仮説の解釈を試みた.特に,不整地走破時に生じるロボットと路面間の接触圧変化とサブクローラダイナミクスのコンプライアンスとの関係性を明らかにした.本研究課題の実現に向けて基礎的な部分を確立することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の要となるサブクローラを有する移動ロボットの不整地走破時における力学的な動作原理を詳細に考察することで,障害とロボットとの間に生じるインタラクション(相互作用)を説明するとともに,対地適応性とサブクローラダイナミクスのコンプライアンスとの関係を明らかにすることができた. 一方で,仮説を検証するためには,小型模型ロボットの製作とロボットと路面間の接触圧変化を測定する必要があるが,前述の仮説に関する解釈の整理に時間を要したため,実験方法を検討するにとどまった.また,仮説の一般性を実証するために行う性能評価試験に関して,今回は,屋外での実施を試みた.しかし,当日はあいにく悪天候(大雪)だったため予定していた試験を全て実施することができなかった.屋外での評価試験実施方法について課題を残す結果となった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度で明らかにした仮説を検証するために,平成30年度は,適応クローラロボットの対地適応性に関する評価指標を定義し,定量的に評価する手法を提案する.具体的な内容を以下に示す.
(1) 悪路走破時における各因子と対地適応性との関係:受動適応クローラロボットは,段差高さや踏破対象(がれき上,階段,スロープ)によって,特異姿勢の回避が重要な課題となることがわかっている.そこで,サブクローラダイナミクスにおけるコンプライアンスとの関係を明らかにする.一方,これまで提案されている半自律制御系に導入されている転倒安定余裕(NE安定余裕)は,ロボットの転倒に関する安定性に関するものであり,走破性の最適化の必要条件でしかない.そこで,悪路走破時におけるロボットの各因子と対地適応性との関係を明らかにする.
(2) 最適指標の定義と検証:クローラロボットの悪路走行に関する最適性を明らかにするために,走破性に関する定量的な評価指標を明らかにし,試験方法に必要なデータ解析項目の選定を試みる.候補として,NE安定余裕,負荷電流値,姿勢角およびサブクローラ回転角の変化量,移動速度等を想定している.これらの指標をもとに路面とロボット間におけるコンプライアンス性評価を試みる.
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Causes of Carryover |
本年度,次年度使用額が生じた理由は,当初予定していた検証用小型模型ロボットの試作が遅れたため,次年度に,その試作製作を行うことになったためである.
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Research Products
(4 results)