2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on myriapod robot via passive dynamics and its locomotion
Project/Area Number |
17K06281
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
衣笠 哲也 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20321474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 浩治 岡山理科大学, 工学部, 教授 (00254433)
林 良太 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40288949)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多足類ロボット / 構成論的アプローチ / ロコモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,身体の機械的特性を活かしたより単純・軽量で,しかも適応的で移動性能の高い多足ロボットを実現することである.今年度は,昨年度実現した進行方向を変化させることが可能なi-CentiPot弐を用いて段差や溝の乗り越え性能を評価した.その結果,拮抗駆動による能動湾曲機構を用いることでより高い段差や広い溝を乗り越えられることを確認した.また,頭部に触覚を導入し,体と脚の柔軟性だけでは方向転換に時間がかかっていた壁面などの障害物に対してある程度自律的に回避することを実現した.目標1-2:拮抗駆動能動湾曲と弛緩動作,3-1:非舗装路面での走行性能評価,3-2:NIST規格に基づいた段差および溝の乗り越え性能評価. さらに,左右の脚を1つのリンクとした16体節32脚(32リンク)の動力学モデルをMATLABを用いて構築し,脚の往復運動と脚先端の摩擦力によって歩行が実現できることを確認した(目標2-2動力学モデル構築).現時点で脚の波によって体幹のうねりがムカデと同様に発生する条件を確認するには至っていない. 本研究で実現された多足類ロボットは「気持ち悪さ」が表現されている.これは,様々なイベントなどでの感想や幼児が恐怖のために泣き出すという事実に基づいている.この気持ち悪さがどこから生じているのか明らかにするために,より脚密度の高い試作機i-CentiPot参を実現した.i-CentiPot参は1体節に2対4本の脚を持つことで脚密度を2倍近くにしている.これによって脚の発生する波がより明瞭に確認できるとともに脚の滑りが大幅に抑制された.その結果,ムカデに近い気持ち悪さをさらに再現することができているものと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画は30年度以降の2年間で達成するべき目標1-2として挙げた拮抗駆動能動湾曲と弛緩動作の実現,目標2-2:動力学モデルの構築および目標3-2:NIST規格に基づく移動性能の評価を既に完了した.さらに,i-CentiPot弐への触覚導入と自律移動の実現,より脚密度の高いi-CentiPot参によるより滑りの少ない歩行の実現と気持ち悪さの評価など当初の予定にはない研究課題へも発展しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,動力学モデルによる歩行解析,脚と体幹の制御系設計によって脚の波と体幹のうねりの再現を目指す.また,実現した多足類ロボットの不気味さについての考察やアンケートを実施し,ロボットやムカデそのものの不気味さについて掘り下げる.また,これまでに得られた成果を論文としてまとめる. さらに,研究成果を発展させる.具体的には動力学モデルは多足類ロボットだけでなく,4足,6足といったさまざまな脚数によるロコモーションを実現することが可能であるため,様々な脚数をもつ身体形状のロボットについてのシミュレーションを行い歩行を解析する.
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Causes of Carryover |
年度末の調整を行わなかったため5万円弱の繰越金が発生した.翌年度は成果発表にかかる費用として使用する.
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