2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K06282
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
村上 剛司 九州産業大学, 理工学部, 教授 (80380682)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ロボットハンド / 摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では,ロボットハンドの作業能力向上を目指し,指先と物体が接触した状態から指先を微小振動させることにより接触物体との摩擦係数を動的に変更可能なロボット指先を開発する. 平成29年度は,指先振動による摩擦制御を行うのに適した把持形態を検討するとともに,基礎実験として指先の振動が物体把持に与える影響を調査した.ロボットハンドによる物体把持では,ハンドの関節部にトルクを与えることにより把持力を発生させて安定把持を行うフォースクロージャーと,ハンドの幾何形状により把物体を幾何的に拘束することで安定把持を行うフォームクロージャーがある.本研究で目指す摩擦の調節はハンド表面上の接触部位で行われるが,フォームクロージャーは接触部位を任意かつ動的に変更することが難しいことから,本研究ではフォースクロージャーによる把持を対象とすることとした.また,フォースクロージャーでは,指先のみで把持する指先把持と,ハンド全体で対象を包み込むように把持する包み込み把持に大きく分けられる.包み込み把持は手全体を物品に接触させて物体を把持するため,接触点が多く生じるが,それら全ての接触点で摩擦の調整を行うことは難しい.一方,指先把持では摩擦の調整を行うべき接触点数が相対的に少なくなる.このため,本研究では指先把持を対象として摩擦調節を行うこととした.指先の振動が物体把持に与える影響を調査するための基礎実験として,ロボットハンドに振動を生じさせることによる把持物体のすべり操作を行った.実験では,平行2指による挟み込み把持を行っているハンド部を振動させることにより,把持力を一定に保ちつつすべり操作を実現できることを確認した. これらの結果を踏まえ,次年度は振動のパラメータをより詳細化してそれらが摩擦や把持に与える影響を明らかにすることを目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
把持物体のすべり操作実験を通して,指先の振動により摩擦を含む物体把持の調整が行える見通しが得られたため.次年度からは,振動のパラメータをより詳細化してそれらが摩擦や把持に与える影響を明らかにすることを目指す.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の把持物体のすべり操作実験を通して,指先の振動により摩擦を含む物体把持の調整が行える見通しが得られたため.次年度からは,振動のパラメータをより詳細化してそれらと摩擦や把持との関係を,研究計画に沿って調査し明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
(理由)備品購入前の性能調査を継続中であることや,研究発表・技術調査のための旅費使用計画の変更などにより,次年度への繰り越し金が発生した. (使用計画)繰り越し予算は,物品費および旅費に充てる予定である.
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