2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a robotic fingertip for adjusting friction
Project/Area Number |
17K06282
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
村上 剛司 九州産業大学, 理工学部, 教授 (80380682)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボティクス / ロボットハンド / マニピュレーション / 摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では,ロボットハンドの作業能力向上を目指し,指先と物体が接触した状態から指先を微小振動させることにより接触物体との摩擦係数を動的に変更可能なロボット指先を開発することを目標としている.昨年度までに,平行2指ロボットハンドに圧電アクチュエータを装着して振動させることで摩擦係数を調節する手法を提案すると共に,実験を通してその妥当性を確認している.最終年度となる本年度は,まず圧電アクチュエータの振動方向が摩擦係数の調節機能に与える影響を調査した.平行2指ロボットハンドにおいて,ロボット指と把持物体との接触面における法線方向と接線方向の2通りの振動方向における,摩擦係数の低減量の違いについて比較実験を行った.実験結果より,接線方向に振動させた方が法線方向へ振動させたときよりも相対的に摩擦係数の低減量が大きくなった.接線方向に振動させた際の条件と摩擦係数の低減量について以下のことが分かった.まず,指先力の大小による摩擦係数の低減量の違いはあまりみられなかった.一方,圧電アクチュエータの振動周波数が大きいほど摩擦の低減量は大きくなったが,振動周波数を上げていくと一定値以下には下がらず飽和した.また,外力の方向と振動方向にずれがある場合は静止摩擦係数の低減量が小さくなった.これらの結果を通して,振動により摩擦係数を変更する際に影響を与える主なパラメータが振動方向と振動周波数であることを明らかにした.最後に,平行2指ロボットハンドで挟み込み把持を行っている円柱に対して,ロボット指先の微小振動による摩擦係数の変更のみで重力などの外力方向へ指先表面上を移動させるすべり操作を行えることを確認した.以上により,研究目標を達成することができた.
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