2018 Fiscal Year Research-status Report
動作に伴う人体の形状変化を考慮したウェアラブルロボット用装具に関する研究
Project/Area Number |
17K06285
|
Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
打田 正樹 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80454437)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ウェアラブルロボット / 多自由度装具 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究目的は、人間の運動に伴う形状変化の計測により得られた知見をもとに、ウェアラブルロボット用の装具の基本構造を提案することである。この目的を達成するために以下を行った。 平成29年度に引き続き、上肢用の多自由度受動装具を設計製作し、健常者を対象に肘関節の屈曲伸展、前腕の回内外時の装具それぞれの自由度の可動域の計測を行った。その結果から、上肢の運動に対して受動的かつスムーズに装具を追従させるために必要な自由度を明らかにすることができた。またそれと同時に、ウェアラブルロボットを構築することを前提に、1.肘関節の屈曲方向にアシスト力を加える。2.肘関節の屈曲動作により装具と皮膚との間のせん断力を小さくする。3.装具により前腕の回内外を阻害しない。ことを条件に、装具の自由度の吟味、装具の考察を行った。この結果、新たなフレキシブルなスライド機構を提案し、それぞれの条件を満足する装具を実現することができた。 次に上記の装具を用い、約5Nmのアシスト力を肘の屈曲に対してアシストするウェアラブルロボット試作1号機の製作を行った。その試作機の動作確認実験を健常者に対して行った結果、上肢の運動に対して、上肢皮膚が不必要な方向に引っ張られること、ねじられることが低減できていると同時に、アシスト力が付与できていることが確認できた。 以上、平成30年度の研究実績は、ウェアラブルロボット用の快適な(低侵襲)な装具の基本構造を提案することができたこと、ウェアラブルロボット試作機を製作し、その装具の有効性が確認できたことである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の当初の目的は、人体の運動に伴う形状変化を計測し、装具を提案することであった。人体の形状変化については、その大部分が平成29年度に終了し、平成30年度は、装具の提案に加え、それを用いたウェアラブルロボット試作機を製作することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の研究実績は、人体の形状変化を考慮したウェアラブルロボット用の装具の基本構造を提案できたこと、ウェアラブルロボット1次試作機を製作し、その装具の有効性が確認できたことである。現在その結果を基に、さらなる快適性向上を目的に、小型化、アシスト力の向上を実現するウェアラブルロボット2次試作機の試作を行っている。それと同時に、同様の装具を肩関節のアシストに適用し、肩関節の動作をアシストするウェアラブルロボット1次試作機の試作も行っている。これらの試作研究を推進し、日常生活における上肢動作のアシストが可能な、ウェアラブルロボットの実現を目指す。さらに平成32年度は、膝関節のアシストが可能なウェアラブルロボットを実現する予定である。 一方、ウェアラブルロボットにおいて、装着者の意図をくみ取り、意図に応じてアシスト力を付与する制御手法実現が課題である。現在、筋電位と関節角度の日常生活における相関性を明らかにし、その知見を基に制御系の実現を目指すべく研究を進行中である。 最終的には、ウェアラブルロボットの制御系を実装するマイコン等に無線通信機能を持つものを用いることで、装着者のスマートフォン等と連携可能なウェアラブルロボットとする。それによって、本研究のウェアラブルロボットをアシスト力が付与可能なスマートデバイスに発展させる予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の予定と異なり,出張回数が減少したため。3532円の繰越金が発生した。
|