2018 Fiscal Year Research-status Report
超短パルス高電界がん治療法のための磁気スイッチによる高電圧パルス列形成と細胞効果
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17K06292
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
南谷 靖史 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (10323172)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バーストパルス / アポトーシス / がん治療 / 単極性 / 両極性 / DNA断片化 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,30年度上期では13MHz,150MHzの単極性のバーストパルス発生装置を用い,高周波バーストパルスの細胞印加によるアポトーシス誘導の有無を,アポトーシスはDNAの断片化が起こることが必須条件とされているため,DNAの断片化により調査した。その結果,パルス印加24時間後の13 MHzにおいて断片化が観察されたが,150MHzでは,断片化は観測されなかった。今回の条件では13MHzでアポトーシスが起きるが,150 MHzではアポトーシスが起きなかったことが示された。これはアポトーシスを起こすのに周波数が高ければ高いほどよいということではない可能性を示している。そこで,ひとまず30年度の下期以降は150 MHzを超える高周波化については中断し,単極性のバーストパルスを両極性のバーストパルスとする開発を行うこととした。H29年度に開発したバーストパルス発生装置は単極性のパルス列が連続して出力される回路であった。単極性パルスは電圧の極性がプラスかマイナスのどちらかしか出力できないため目的の高周波以外にそのパルス段数分の低周波成分が重畳してしまう。そのため,目的とした周波数成分のみを患部に印加することができず,周波数毎の効果を確認することができない。また,電磁波放射の効率が下がってしまう。したがってH30年度下期は正負に振動する両極性のバーストパルスを発生する装置の開発に目標を転換した。 バーストパルスの両極性化は単極性のバーストパルス発生装置を2つ組み合わせて出力を重ね合わせる構造にすることで行った。2つの出力の重なりでバーストパルスの両極性化は可能となったが,重ね合わせのタイミングがずれることが多く,50%程度しか両極性となるバーストパルスは発生しなかった。今後は両極性バーストパルスの発生率を90%以上に引き上げる開発と,両極性バーストパルスによる細胞への効果を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の上期の結果によりバーストパルス発生装置の開発方針を見直し,単極性のバーストパルスから両極性のバーストパルスを発生する装置を開発することに研究計画の方針転換を行ったが,下期に両極性のバーストパルスを発生する装置構成については開発出来,修正後の研究計画にそった形で進捗が進んだ。しかし,両極性のバーストパルスとなる頻度が十分ではないため,来年度は両極性のバーストパルスが出る頻度を引き上げる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画を変更し,両極性のバーストパルスとなる頻度が90%以上となる回路構成について開発を行う。そして実際に細胞へ印加することで単極性と両極性の違い,周波数の違いによる効果の違いについて調べる。
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Causes of Carryover |
今年度の計画変更に伴い,来年度まで両極性バーストパルス発生装置の改造がかかるため来年度分使用額が生じた。したがって来年度両極性バーストパルス発生装置の改造に使用する。
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Research Products
(11 results)