2018 Fiscal Year Research-status Report
マルチレベル電力変換器によるモーションコントロールシステムの高性能化
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17K06294
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
名取 賢二 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (70545607)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マルチレベル電力変換器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初計画通り、マルチレベル電力変換器およびその変調方法に関する2つの特長に着目し、それぞれを対象とした2つの研究計画を同時に進行した。 まず、1つめの研究計画は、高調波抑制による電流制御応答および位置・力制御応答の改善に関する検討である。このうち、本年度は主に電流制御応答および力制御応答の改善について検討を行った。電流制御については、昨年度に引き続き、各種パラメータを変更した場合の制御性能の変化についてさらに検討した。また、力制御についても電流制御と同様の検討を行い、さらに、電流制御における傾向との関連性について検討した。 次に、2つめの研究計画は、等価的なサンプリング周波数向上による制御性能や安定性の向上に関する検討である。本年度はこれらのうち、マルチレベル電力変換器およびその変調方法によってデッドタイム電圧誤差がどのように変化し、かつそれが制御性能にどのように影響するかについて重点的に検討をおこなった。具体的には、マルチレベル電力変換器におけるデッドタイム電圧誤差の発生原理について詳細なモデルをもとに検討し、等価周波数や回路方式が異なる際のデッドタイム電圧誤差について検討を行った。 また、前年度は理論検討を重点的に進めたため実験による検討が不十分であったことを考慮し、本年度は実験検討について積極的に推進した。研究室で所有するマルチレベル電力変換器に加え、回路方式が異なるマルチレベル電力変換器の設計および製作を行い、複数の回路方式について検証可能な実験環境を整えることができた。 研究計画最終年度となる次年度については、上記のように実験検証の環境が整ったことから、現在までに理論的な検討を行ってきた結果についてさらに実験により検証し、研究計画のまとめを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、理論的な検討を主として行ったため、実験による検証が不十分であったことから「やや遅れている」と判断したが、本年度については概要で述べた通り実験環境が整備されたことにより既に理論検討を行っている内容について実験による検証を行うことができた。同様に、今後においても既に理論検討を行っている内容について容易に実験検証が可能である。このような状況から総合的に判断し、おおむね順調に進展していると考えることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況の欄で述べた通り、実験環境が整備されたことにより容易に実験検証が可能な状況であることから、現在までに理論検討を重点的に行ってきた内容について実験検証を進めることを今後の主たる目的とする。また、実験検証の結果を理論検討にフィードバックすることによる改善も同時に行い、理論検討の高精度化を図る。これらにより、3年間の研究期間に得られた成果のまとめを行う。
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Research Products
(1 results)