2019 Fiscal Year Annual Research Report
Strage of hydrogen generated by solar cells
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17K06322
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
大下 祥雄 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10329849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 俊和 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(共同研究員) (20500458)
町田 英明 気相成長株式会社(CVD研究部及び合成研究部), 代表取締役社長, その他 (30535670)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 太陽光発電 / 水素キャリア / ポリシラン触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに水素キャリアとしてソルビトールを用いた発電実験を行った結果、メチルヒドロキノンを用いた場合より高い電圧で発電が可能であることを示してきた。しかし、酸化後の物質がグルコノラクトンではなく循環系が実現されていない。そこで、本年度はソルビトールを原料にして発電した後の酸化体の同定と良好な還元の可能性を検証した。ソルビトール発電後の酸化体の同定のため、発電後の溶液から単離精製を行った。精製が可能となる量を確保するため、燃料電池への送液を繰り返し、測定試料を作製した。しかし、単離は困難であった。そこで、蒸留による精製を行ったが、分析可能なレベルまでの単離は困難であった。また、カラム精製も行ったが分析可能なレベルまでの単離は困難であった。そこで、ソルビトール発電後の酸化体を、ポリシランパラジウム触媒を用いて還元する実験を行った。その結果、還元後の溶液ではソルビトール量の増加はなかった。すなわち、今回用いた触媒では、グルコース―ソルビトールの酸化還元反応は不可逆的であり、本系は水素キャリアとしては適していない事が示された。加えて、貴金属系触媒を用いた場合における過還元による骨格分子が分解される問題を解決することを目的に、水溶液においても過還元抑制可能な触媒の候補である卑金属系ポリシラン触媒、特にFeとNiを用いた触媒の合成条件を明らかとした。FeとNiを用いた触媒の合成では、ポリシランはMePhSi-対応の市販品とFeあるいはNiの酢酸塩を用いた。ポリシランをトルエンに溶解後、酢酸塩を加えて攪拌後、担体を加えた。メタノールで再沈殿を行い、上澄みを取り除いた。その後、固体を濾過により回収し乾燥した。得られた粉末を炭化水素系溶媒に入れ加熱、放冷後、濾過洗浄を経て触媒を得た。これにより、特に過還元が抑制できる可能性の高い卑金属触媒の特性を詳細に調べる体制が確立できた。
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