2017 Fiscal Year Research-status Report
太陽電池セルの高温ホットスポット発生を自動検知する常時監視機能の実現
Project/Area Number |
17K06331
|
Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
南野 郁夫 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40647723)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 俊之 宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (20733695)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 太陽光発電システム |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度計画は,① HSモデルの熱電連成化とストリング化まず平成27年度~28年度の挑戦的萌芽研究の成果である温度分布を再現するモデルを、温度変化から電気的変化へ、電気的変化がさらに温度変化へ影響を与える連成したモデルへ拡張することだった。温度分布再現モデルは、温度差モデルTDM(Temperature Difference Model)の知見を活用し、高温HS形成時に生じる高温点の動き本質的特徴を陽に表現するモデルである。これが上手く行けば,つぎに太陽電池セルの一部が高温になった現象が、アバランシェ電圧の温度特性により電圧(またはセルの開放電圧、モジュール電圧、ストリング電圧)へどのように影響するかを分析することだった。直列と並列を組み合わせるとシミュレーションが複雑になり、計画通りに進まない可能性がある。その対策として、直並列状態は机上の検討だけで予測精度が十分かどうかを予め見積もり、シミュレーションはできるだけシンプルなセル電圧だけに留める。それと同時に複数の高専の屋上に約15年前に設置された太陽光発電システムを赤外線 カメラで撮影し、実際の太陽電池セルに発生するHSの実態とモデルの比較検証も調査範囲を拡大して行う予定だった。この計画の通り,温度変化から電気的変化への机上検討と実験を行った。単セルで生じたアバランシェ電圧の温度に対する変化をストリング電圧として検出可能かという実験である。この実験の結果,当初の方法に実用上の問題が有ることを確認した。 この問題の対策のため,今後の方針として他の研究機関で研究されている不具合判定方法の応用を検討する。一方,ホットスポット再現シミュレーションの研究は,電気学会D部門大会とPVSECの発表で他の研究機関の目に留まり他分野への応用として新たな展開を見せている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している部分もあれば、遅れている部分もあり、平均するとおおむね順調に進展しているといえるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として,他の研究機関で研究されている不具合判定方法の応用を検討する。 最近太陽光発電システムの分野では,太陽電池アレイ不具合判定に関する新たな研究論文が複数発表されている。これらの論文で提案されている方法を応用することにより問題が解決できないかを検討する。
|
Causes of Carryover |
当初海外の共同研究者が米国の国際会議に一緒に行くはずだった。しかし,昨年度は国際政治の影響か,共同研究者(エジプト国籍)のVISAが米国から下りず,彼は出張を断念した。その結果,次年度使用額が発生した。次年度使用額は,次年度の国内外の学会出張費または実験装置の費用などに充てる計画である。
|
Research Products
(4 results)