2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study for new type of organic solar cells
Project/Area Number |
17K06336
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 敬鎬 北見工業大学, 工学部, 准教授 (70608471)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 太陽電池 / 酸化物 / ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、機能性両面受光型有機系太陽電池の研究開発のため新規ナノ構造を有する酸化物ナノ構造体の作製とハイブリッド型ポリマー電極を作製し、特性評価を行った。 研究課題の3年目では、酸化ニッケル薄膜の特性評価を行った。装置のコストは低く、生産性の高いゾル―ゲルスピンコーティング法によって作製した酸化ニッケル薄膜の熱処理温度による構造的・電気化学的特性を評価した。化学結合を測定した結果、すべての試料(熱処理温度:200-400度)でNi-O伸縮振動により吸収ピークが確認され、酸化ニッケルの形成を確認した。また、-OH基の伸縮振動による吸収ピークも観察された。次に、表面形態を測定した結果、酸化ニッケル薄膜はナノパーティクルで構造され、ナノパーティクルの大きさは熱処理温度の上昇に伴い増加した。電気化学的特性はサイクリックボルタンメトリー(CV)により測定した結果、得られた電流密度は熱処理温度によって異なり、300度で熱処理を行った酸化ニッケル薄膜が最も良い特性を示した。これは、-OH基とナノパーティクルの大きさが電気化学的特性に大きく影響を与えると考えられる。しかしながら、得られた300度で熱処理した透明電極基板上に成膜した酸化ニッケル薄膜は膜の均一性に改善が必要なため、亜鉛ドーパントの添加により、薄膜の均一性や透過率の改善、電気化学的特性の向上を得ることが可能であることが分かった。 また、簡単な化学溶液堆積法を用いて作製した酸化銅の形態変化に及ぼす成長温度の影響について検討した結果、50度の低い成長温度でロッド系のナノパーティクルが集まった球状の酸化銅が形成されることが分かった。 得られた酸化ニッケル薄膜及び酸化銅に関する結果は、エネルギー貯蔵デバイスや省エネルギーデバイスなどの性能向上にも期待できる知見でもある。
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Research Products
(3 results)