2017 Fiscal Year Research-status Report
Contact resistance lowering at metal/Ge interface by controlling metal property and interface structure
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17K06374
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 知紀 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 技術専門職員 (10396781)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ショットキー障壁 / 仕事関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今期は以下に述べる金属の仕事関数についての再考に基づき,Metal-induced gap states(MIGS)によるフェルミレベルピンニングを”金属の仕事関数の変調効果”と捉えるモデルの提案を行った. 一般的に金属の真空仕事関数は面方位依存性を有する事や,表面のコンタミネーションにより大きく変化する事は良く知られている事を考慮すれば,金属が半導体との界面を形成した際にその仕事関数が変化する事は極めて自然である.バルク項と表面項からなる金属の仕事関数において,表面(界面)の寄与は後者によるものであり,”金属/真空界面における金属の真空仕事関数の表面項”と,”金属/半導体界面におけるMIGS”が共に金属側からの自由電子の浸み出しとして描像されることを踏まえ,MIGSは”半導体特性で決まる半導体内の界面準位”とするよりも,”半導体との界面形成により変調した金属の仕事関数表面項”と一般的に捉える事が可能であることを提案した.この様にしてみると,MIGSによるフェルミレベルピンニングは,半導体との界面形成により金属の仕事関数が一定値に収束すること示し,この点は半導体の価電子帯電子の寄与,即ち半導体への正孔の浸み出し若しくは半導体から金属への電子の浸み出しと捉えることができる.またこの考え方は典型的にMIGSが支配的な金属/ゲルマニウム界面において見られる,MIGSの強さの金属依存性(金属の自由電子密度依存性)も矛盾無く取り込まれており,MIGSのより一般的な描像が実現されている. 上述については,国際会議である固体素子カンファレンス(SSDM)及び米国電気化学会(ECS Meeting)における口頭発表,及びECS Transaction誌への論文投稿を通して報告を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は研究計画を少し変更し,前述の研究実績の概要に示した通りMIGSを金属の仕事関数の観点から捉えたモデル化を進め大幅な進展が得られた.並行して従来の研究計画に含まれる低電子金属/Ge接合デバイスを作成する環境を整えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的には研究計画に沿って進める予定である.金属/半導体界面におけるショットキー障壁高さの界面構造依存性の解明については半導体の基板面方位だけでなく,界面ラフネスなどにも注目したいと思案している.その他,低抵抗コンタクト形成のガイドライン構築において,MIGSが支配的な系における半導体の不純物ドーピング濃度とフェルミレベルピンニングとの相関を明らかにすることについての取り組みも検討したい.
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Causes of Carryover |
今期は当初の研究計画を少し変更してモデル化に重点を置いた為,当初の計画で予定した物品費について次年度使用額が生じました.来期以降に研究計画に沿った物品費として使用する予定です.
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Research Products
(3 results)