2018 Fiscal Year Research-status Report
光パケット伝送に対応したアナログ・ディジタル融合制御高速波形整形回路の研究
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17K06381
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 誠 岐阜大学, 工学部, 教授 (10708605)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 電気分散補償 / 光パケット伝送 / 光受信回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
光パケット伝送では効率的な情報伝送のために情報を“パケット”として扱い良好な伝送効率を得るために、光受信回路の高速パケット応答が重要であるが、高速・長距離化には光分散による波形劣化の改善が必要である。この光パケット受信回路による波形改善を実現するために、平成30年度は前年度に基本機能の動作検証を回路シミュレーションにて行った、①電気分散補償(EDC)基本回路、②高速波形モニタ回路、③高速分散補償制御回路について、研究実施計画に示した詳細回路の設計とその動作検証を行った。 具体的には、①のEDC基本回路について、より実用に近い集積回路による検証に向けて入出力回路や電源回路も含め、集積回路化のための物理的な配線レイアウト設計を行い、動作検証を行った。この結果を踏まえ、0.18μm CMOS技術を用いた集積回路の設計、試作を行った。今後、詳細な動作検証を行う予定である。また、②の高速波形モニタ回路についても、前年度に考案した振幅と波形劣化量をそれぞれ検出する回路を組み合わせたモニタ回路について、応答速度を律速する時定数回路への影響の大きい配線容量等を考慮したレイアウト設計を行い動作検証を行った。本回路についても集積回路化を行い、今年度動作検証を行う予定である。さらに、③の高速分散制御については、実施計画に示したFPGA(書換可能論理LSI)を用いてアナログ制御とディジタル制御を融合した制御方法の基本動作検証を行った。アナログ的な波形モニタ信号と対応した波形補償制御パラメータを予めディジタル的にメモリに記憶し、パケット信号受信とともに呼び出すことにより高速応答可能な制御方法を考案し、動作検証を行った。 これらの成果の一部をまとめ、学会発表ならびに論文投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では平成30年度は、平成29年度に考案した電気分散補償(EDC)回路とその制御技術の詳細設計と検証を目標としており、集積回路の実動作検証で少し遅れているものの、おおよそ目標を達成することができた。 具体的には、考案した電気分散補償(EDC)回路について、集積回路化を考慮したより詳細な回路設計を行った。通常の回路シミュレーションでは考慮されない物理的な寄生成分も考慮したより実動作に近い条件でのシミュレーションにより、若干の特性劣化はあるものの波形劣化に対する補償性能が約50% 改善できることを確認した。また、考案回路をもとに計画通り集積回路の設計、試作を行った。さらに、EDCの高速制御技術については、考案したアナログ・ディジタル融合制御技術の検証を、計画通りFPGA(書換可能論理LSI)に制御機能を実装し動作確認を行った。制御回路の応答時間は、目標とするパケット応答時間の仕様値のおよそ 60 % の十分短い時間で応答可能なことを実動作で検証できた。 この他に、パケット信号の波形整形を効果的に行うため、EDC回路の前段に設置するパケット信号対応の利得制御増幅回路についても、集積回路の試作検討を行いレイアウト条件でのシミュレーションで、従来の1/2以下の高速応答制御特性を得た。また、様々なデータ速度に対応しEDC回路を動作させるためのクロック信号を発生する広帯域な電圧制御発振器についても考案し、集積回路において従来回路およそ2倍の広帯域な発振特性を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に基本検討を行い平成30年度に詳細設計ならびに集積回路化を行った電気分散補償回路(EDC)ならびに波形モニタ回路について、詳細特性データを取得し、動作検証を行う。さらに、検証結果をフィードバックし詳細回路の改良設計を行いさらなる性能改善を目指す。これらの性能改善に加えてEDC回路と波形モニタ回路の一体化の検討を行いより実用に近い波形整形回路とその制御方法を検証する。また、性能改善の効果を確認するために、詳細回路のシミュレーション動作検証ならびに集積回路の改良設計、試作品の性能評価により動作検証を行う。 また、平成30年度にFPGA(書換可能論理LSI)を用いて基本動作検証を行ったアナログ・ディジタル融合高速制御技術については、得られた特性データをもとに考案制御技術の課題を検証し実装機能の改良を行う。 尚、研究を遂行する上で集積回路の動作検証環境は他所の設備を借用しており、継続的な使用や稼働時間の確保が課題である。今年度、研究費の使途を見直し設計環境構築の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
計画していた回路試作について、当初計画より確実性の高い成熟した安価な試作技術を用いたため、次年度使用額が生じた。差額分は平成31年度実施の試作品評価費に加算する。
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Research Products
(6 results)