2017 Fiscal Year Research-status Report
一般化kQ規範とハミルトニアンアルゴリズムによるワイヤレス結合器設計法の構築
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17K06384
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大平 孝 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30395066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 尚貴 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10736177)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ワイヤレス結合kQ積 |
Outline of Annual Research Achievements |
数 cm から数 m の距離を無線で電力伝送する需要が近年急速に高まってきている。そのための必須コンポーネントがワイヤレス結合器である。ワイヤレス結合器はここ10年に研究が本格化した比較的新しい技術であり、これまでいくつかの構成例が報告されているものの、幅広い一般的設 計法が完成されたとは言えない。本研究ではコイル・平板電極・レール結合・車輪結合などあら ゆる構造を包含する高効率なワイヤレス結合器の汎用的設計手法を確立することを目的とする。 これによりワイヤレス電力伝送の応用範囲が飛躍的に広がる。本研究の独創的特徴は(1)任意構造の結合器の形状最適化を可能とする一般化kQ規範と(2)ランダム性に頼らない純演繹的手法でありながら局所解に落ちないハミルトニアン演算解探索アルゴリズムである。平成 29 年度は最も基本的なアンテナ構造であるダイポールを2本用いて送受結合を構成する電力伝送系を考えた。具体的には、円柱形の完全導体からなる半波長ダイポール2本を平行に配置し、一方から高周波電力を入力し、他方へ高周波を出力する場合の電磁界の振る舞いをコンピュータで解析した。得られたインピーダンス行列からkQを数値的に算出した。その結果、送受間距離が0.02波長のときkQが15であり、距離が長くなるほどkQが単調に低下していくことがわかった。この研究成果をIEEE主催の国際会議 Conference on Antenna Measurement Applications 2017 に投稿し採録された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の独創的特徴である任意構造の結合器の形状最適化を可能とする一般化kQ規範の計算方法を確立でき、かつ、ダイポールアンテナ2本で構成する電力伝送系に適用した点で研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的なアンテナ構造であるダイポールでのkQの計算結果を基準として、今後はこれに反射器や導波器を追加した構造に発展させkQを数値的に評価していく。
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Research Products
(3 results)