2017 Fiscal Year Research-status Report
モンテカルロ法によるシングルフォトンアバランシェダイオードの解析
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17K06386
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
鎌倉 良成 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70294022)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | フォトダイオード / シミュレーション / モンテカルロ法 / アバランシェ破壊 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シングルフォトンアバランシェダイオード（SPAD）の数値シミュレーション解析を行い、アバランシェ破壊に関与する物理機構について理解を深めることを目的としている。SPADの時間分解能を律速する究極の要因と考えられる「統計的ゆらぎ」を計算機上で再現することで、ジッタ―に関与する本質的な物理過程を明らかにし、さらにその制御法についての考察を試みる計画である。平成２９年度においては、これまで開発したバルクSi中のキャリア輸送解析用のモンテカルロシミュレータをベースに、SPAD内部のアバランシェ破壊解析のための新たなフレームワークの開発に着手した。その際、電子と正孔の同時輸送解析を実現し、さらにその解析ツールを活用することでアバランシェ破壊過程のムービーを作成した。計算機を用いた可視化を通じ、物理素過程の理解を深めることができた。さらに、プログラムコードの並列化を行うことで、計算時間を大幅に短縮することに成功した。一方、キャリア分布とセルフコンシステントな内部電位分布を取り込み可能とする機能実現のため、ポアソン方程式モジュールの追加を行った。現在は２次元の解析を対象にしているが、今後３次元系への対応化が課題である。なお、今回はポアソン方程式ソルバとして高速フーリエ変換を基にした解法を採用したが、並列化の効率があまり良くなかった。今後３次元化を図るうえでは、計算速度のさらなる向上が必要となることから、より並列化効率の高いポアソン方程式解法（直接法など）の使用を検討する必要がある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーションフレームワークの準備については、概ね計画通りに進展していると考えている。シミュレーション系の３次元化に伴う計算時間の増大が懸念されるが、並列計算などを利用することで対応したい。
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| Strategy for Future Research Activity |
作製したシミュレータをフル活用してアバランシェ破壊の本質的物理過程に対する考察を行うとともに、SPADのジッターを決める要因について分析を進める。同時にシミュレータについても新たな物理機構の追加や高効率化を図る。前者については、光吸収後の電子初期状態の決定法（時間・空間的な位置や初期運動量）などが課題である。また、後者については、解析系の３次元化とそれに伴う効率的な計算コードの整備が必要である。
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| Causes of Carryover |
当初計画していた学会への参加を取りやめたことや学生アルバイト謝金の雇用時間が計画より少なかったことなどで使用額が予定よりも少なくなった。今年度は学会参加や論文投稿費が増える見通しであり、主に成果発表に活用したい。
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Research Products
(1 results)
