2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reduction of transient enhanced diffusion in Si by F co-implantation
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17K06397
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植松 真司 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任教授 (60393758)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シリコン / 不純物 / 拡散 / ホウ素 / フッ素 / イオン注入 / 同位体 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは、プリアモルファス化を行ったシリコン同位体試料に対して、フッ素とホウ素をイオン共注入し、拡散実験を行った。その結果、従来独立して考えられてきたフッ素・空孔クラスターからの空孔放出とフッ素・ホウ素間の直接的相互作用の両方がホウ素拡散抑制に寄与していることを明らかにした。また、アニール時間依存性の実験から、フッ素・空孔クラスターが、オストワルト成長のために、その解離がアニール初期では速く、その後解離が遅くなることが分かった。さらに、植松が独自に確立した拡散シミュレーションを用いて、同位体シリコン、フッ素、および、ホウ素拡散プロファイルを解析し、アニール初期にフッ素注入誘起欠陥によってフッ素・空孔クラスターが生成し、その後のアニールでこのクラスターが解離する際に空孔が放出させるというモデルを構築し、そのモデルに基づくシミュレーションを行い、実測のプロファイルを再現することができた。 最終年度は、より広い実験条件での実験を行い、これまで構築してきたフッ素・空孔クラスターからの空孔放出、ならびに、フッ素とホウ素間の直接的相互作用の両方がホウ素拡散抑制に寄与しているとするモデルをさらに確実なものとした。また、フッ素・空孔クラスターのオストワルト成長についても2種類のクラスターを考慮するモデルの厳密化を図った。さらに、プリアモルファス化領域の再結晶化において発生する転位によるシリコン格子間原子の吸収も取り入れ、モデルの精密化を行った。そして、広い実験条件からのデータによりシミュレーションに必要なパラメータ値の精密化を進め、フッ素の存在によるホウ素拡散抑制を統一的に予測できるようになった。
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Remarks |
研究内容又は研究成果に関するwebページはない。
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