2017 Fiscal Year Research-status Report
空間直交振幅変調を用いたホログラフィックメモリにおける信号光変復調法に関する研究
Project/Area Number |
17K06406
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
文仙 正俊 福岡大学, 工学部, 教授 (50412573)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ホログラフィックデータストレージ / 強度輸送方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホログラフィックデータストレージの大容量化と転送レートの高速化を目的とし、従来は二次元光強度変調のみが施されていた信号光にさらに多値二次元位相変調を施す空間直交振幅変調について研究を進めている。本研究課題では、より簡易・小型・単純な機構・装置による信号光の空間直交振幅変復調を実現すべく、様々な要素課題について検討を行っている。今年度は主に、光波の干渉を用いない複素振幅分布計測手法である強度輸送方程式(TIE)法を、ホログラム記録媒体から再生された空間直交振幅変調信号光の検出復調に利用する方法について検討を行った。 先行研究では、信号光に対して位相変調のみを施し、TIE法によりこれが復調可能であることが数値シミュレーション及び実験により示されている。H29年度には、信号光位相のみでなく新たに信号光強度にも変調が施された場合に本検出復調手法が適用可能かどうかを、数値シミュレーション及び実験により検討した。検討の結果、数値シミュレーションにおいては少なくとも強度4値変調・位相8値変調程度までは問題なく信号光位相の復調が可能であることが明らかとなった。この結果は、復調精度はまだ十分では無いものの、光学実験によっても確認されている。また、これまで検証を行ってきた位相変調法以外にも、例えば各シンボル内の位相分布を正弦波型などに変調する等、様々な連続的位相変調を施すことで、位相復調精度が向上することが数値シミュレーションにより明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載の様に,ほぼ予定通りに進展している。H29年度の検討における光学実験では、ホログラム記録材料を用いた記録再生は行っておらず、空間光変調器により生成された直交振幅変調信号光の直接計測が行われているが、H30年度に速やかにフォトポリマ等のホログラム材料への空間直交振幅変調信号光の記録及び再生検出を進める準備も整っており、概ね計画通りの達成度といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
強度輸送方程式法を用いた空間直交振幅変調信号光の検出復調については、より高精度検出に適した信号光の強度及び位相変調法について検討を進めていく予定である。数値シミュレーション及び光学実験により検討を進めていくが、実験においてはフォトポリマ材料へのホログラム記録・再生を行う予定である。また、強度輸送方程式法を用いた空間直交振幅変調信号光の検出復調のシングルショット化についても着手する予定である。偏光子アレイ付きCCDカメラを用いた空間分割位相シフト干渉法による、空間直交振幅変調信号光検出の高精度化を目指した実験にも着手する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究進捗状況と参加予定学会日程の相違により未使用の成果発表旅費が生じたことと、その他の項目に未使用分が生じたためである。H30年度の成果発表旅費および研究成果投稿料等として使用する予定である.
|