2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the prediction of interference between buildings for the three-dimensional cell configuration of mobile communication systems
Project/Area Number |
17K06428
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
市坪 信一 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30457452)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 電波伝搬 / 伝搬損失 / 建物侵入損失 / 周波数特性 / 移動通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
携帯電話のサービスエリアを空間的に構成する3次元セル構成では、異なるビル内にある基地局の間で起こる干渉が問題となる。本研究ではビル屋内から他のビル屋内への伝搬損失推定法の確立を目的としている。推定のためには周波数、送信高、受信高、窓から室内の送信点(または受信点)までの距離、送受信間距離に対する伝搬損失と関係を明らかにする必要がある。 最終年度である2019年度には窓からの距離による損失と都市内伝搬による損失のメカニズムを検討して、屋内から屋内への伝搬損失の推定方法をまとめた。具体的には、窓からの距離特性のために、室内の1/24縮尺のスケールモデルを作製して24GHzで測定した。これにより建物侵入での支配的な波を明らかにして、統計的な推定には屋外の到来波分布を用いるモデルが有効であることを示した。前年度に引き続き低い周波数では部屋の奥で損失が大きくなる原因を明らかにするために、実際の部屋で追加の実験を行い、またスケールモデルを用いた実験も行ったが、現在も原因は明確になっていない。また、都市部におけるマイクロセル環境での伝搬損失の発生メカニズムを検討した。伝搬損失の物理モデルとしてマクロセルのモデルは提案されているが、これまでマイクロセルを対象したモデルは示されていなかった。今回はビル壁面の反射と反射波の到達距離を元にした物理モデルを提案して、ITU-R SG3に寄与文書として提出した。 2017年度と2018年度には、都市部の立体駐車場を用いて150MHz~5.8GHzの4周波数の測定を行い、送受信高に対する周波数特性を明らかにした。また、実際の建物やスケールモデルを用いた実験を行って窓からの距離特性を明らかにした。3か年の研究によって建物侵入損失の特性を明らかにし、これを用いて屋内から屋内への伝搬損失を推定することが可能になった。
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