2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Ultra-Wideband Circularly Polarized Antenna Technology
Project/Area Number |
17K06431
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福迫 武 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90295121)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アンテナ / 円偏波 / 広帯域 / メタ表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
広帯域な円偏波を発生させるメタ表面を開発した.メタ表面を反射板とし,その単位セルは長方形を基本的構造とする.基本的には,セルの各辺に対して45度となる直線偏波を入射させ,直交方向に等振幅かつ位相差90°を与えて反射させる.その結果反射方向に円偏波が発生させる. 広帯域な円偏波を発生させるには,直交する2つの電界の振幅を広帯域に亘って等しくさせ,かつ広帯域に亘って位相差を安定させて90°を保つようにすればよい.しかし,メタ表面の大きさが有限であるため,周波数によってはメタ表面の大きさに関係する強い共振が直交する電界のうち一つが強くなり,円偏波を発生させる条件を崩すことになる.よって,今回はメタ表面の大きさが有限である場合を仮定し,その影響が小さくなる構造を検討した. まず,全体が正方形である場合を検討する.その際,電流分布を電磁界解析(有限要素法)することで,角部分に強い共振が見られた場合,円偏波の軸比が影響することが分かった.よって,角の部分の構造を工夫した.具体的には,角部分の背面金属板を残し,単位セルを取り除くことで,共振を弱くすることが分かった. 次に,入射波は平面波の方が理想であるが,そのためには波源を遠方に設ける必要があるが,実際的ではない.波源が球面波に近い場合であっても,広帯域な円偏波が可能かどうかを検討した.実際,十分な帯域が確保できることは可能であることを確認した. さらに,単位セルの辺に対してメタ表面の辺を45°とすることで広帯域な円偏波が可能であることを確認した.これで,単位セルの辺方向に対して共振しにくくなることが理由である. また,一方で,反射波を直交させるメタ表面についても検討した.その際,周辺を円形とすることで広帯域に亘って共振をさけつつ,偏波変換が可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広帯域円偏波の発生に関するメカニズムを検討し,さらに多くの情報を学会等で仕入れることで,多くのアイデアを生むことができた.進捗としてはおおむね順調であるが,出てきたアイデアは想定以上のものである.しかし,まだそれらを生かし切れていない状況であり,次年度において期待したいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,提案できたメカニズムをさらに解析し,広帯域な円偏波発生もしくはアンテナについて多くの具体例を試す予定である.また,具体的な応用についても十分検討してゆきたい.新しいアイデアについて,新しい技術への挑戦も考えている.その実行性や有用性の評価は重要であり,外部の方々と共同研究や学会を通して情報を仕入れたいと考えている.
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