2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Ultra-Wideband Circularly Polarized Antenna Technology
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17K06431
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福迫 武 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90295121)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタ表面 / 端部形状 / 位相分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究期間内には,メタ表面を用いた超広帯域な円偏波アンテナの設計方法について確立させる.目標としては,軸比が3dB以下の円偏波をUWBフルバンドである3.1GHz~10.5GHzをカバーしつつ送受信できるアンテナを目指す.構造としては,メタ表面を人工グラウンド構造もしくは反射板(リフレクトアレー)として用いるか,あるいは透過型のポラライザとして使用するかによる.現在,申請者のグループから研究会(Alia and Fukusako 電子情報通信学会アンテナ・伝播研究会,2016年8月)で発表したごとく,65%もの比帯域で,x成分とy成分に180°の位相差を与えるメタ表面構造を発表した.これまで,40%程度の帯域で円偏波をカバーできるアンテナは申請者のグループからすでに発表しており(Yamauchi, Fukusako IEICE Trans Oct 2016他多数),円偏波帯域外の直線偏波部分を円偏波化する技術を用いたこれらの組み合わせで比帯域100%を超える円偏波アンテナの可能性が出てきた.円偏波アンテナの軸比特性において軸比が大きい部分を円偏波に変換する発想であるので,これらの比帯域の合計で超広帯域をカバーできる可能性を明らかにする. 本研究においては,UWBフルバンドをカバーできる円偏波アンテナの開発を目指す.しかし、その帯域は中心周波数に対して100%を超えるものであるが、挑戦的な課題であるものの、レーダやセンシング等の多くの応用があるため、今後必要とされると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度にメタ表面の基本特性に関する研究を行った後、本年度年度においてはメタ表面を用いた広帯域アンテナに関する全体構成について検討した。メタ表面は、基本的には単位セルが2次元的に無限に広がる構造で検討するが、実際には有限にせざるを得ず、その場合、メタ表面の端部が影響する。メタ表面上には表面波が存在するが端部で反射し、定在波上に分布する。この分布は端部の形状をうまく考えると、位相分布を制御することができる。このことに気づいて端部を制御することを考えた。その結果、端部の設計により広帯域な偏波変換を行う可能性を実証した。端部は、長方形セルの辺に対して、斜めあるいは円形にすることが効果的であることが分かった。この結果は大変重要な結果であり、今回はいくつかの学会で多くの研究者とも議論したが、その結果や原理について考察することができた。 現在、放射器は直線偏波の微小ダイポールや導波管アンテナであるとし、メタ表面は4波長×4波長程度としており、セル構造の背面の地板は正方形であるが、端部は長方形セルの辺に対して45度程度の斜めに切っている。 また、マイクロストリップアンテナに関して、端部を円形とすることでも広帯域性を実現できており、一方で、斜めにすることでも広帯域な円偏波アンテナの可能性を見出すことができた。 また、今回のアンテナはアレー構造でも用いることが求められるが、これに関連して、広帯域アンテナアレーの総合結合についても検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
端部は、長方形セルの辺に対して、斜めあるいは円形にすることが効果的であることが分かった。今後は、この知見を活かし、導波管アンテナやパッチアンテナ等を円偏波化し、円偏波の帯域から外れた部分はメタ表面による偏波変換機能を用いて広帯域化する。 広帯域化に有利なのは導波管アンテナであると思われるが、放射パターンにおいて交差偏波を押さえるなどの工夫が必要であり、その導入方法がカギとなる。メタ表面をアンテナ素子として用いた場合、交差偏波が強くなりがちであり、今後の対策を考えて行く。
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Research Products
(14 results)