2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K06432
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福島 誠治 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (10610214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 務 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (80781997)
渡邉 俊夫 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (90524124)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 半導体レーザ / 周波数変換 / 光無線 / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究テーマのうち、令和2年度に実施を予定した項目は、周波数変換光モジュールの製作およびそれを用いた周波数変換の実証実験である。具体的な実施済み項目は、(1)周波数変換光モジュールを用いた周波数変換の実証実験、(2)周波数変換光モジュールが発生する強度雑音の実験的評価、(3)周波数変換効率の改善(新構成の提案、駆動・給電回路の改良)である。調書に明に記載された項目は(1)のみであるが、(2), (3)は派生技術としての進捗を報告する。 主テーマ(1)については、令和元年度に製作を終えた周波数変換光モジュール(以下、光モジュール)への2周波数(RFおよび局部発振)同時入力により生成される光副搬送波信号には中間周波が含まれることが予測されていた。令和2年度には、この手法による中間周波の発生に実験的に成功した。発表予定学会の延期にともない、本成果は未発表である。 調書の記載以外に(2)として、光モジュールの出力レーザ光に含まれる強度雑音(RIN)の実験的評価を行った。光モジュールに通常実装される光アイソレータを実装できないことから、強度雑音の増加が懸念された。光モジュール自身の戻り光や異なる光源のレーザ光を入力して耐性評価を行った結果、わずかな強度雑音の増加を観測したものの、応用適用ができないほど有害な強度雑音の増加はないことが分かった。(3)として、光モジュール内の高周波実装として高周波伝送媒体にQマッチやテーパ(taper)状マイクロストリップ線路の導入を提案し、その効果を数値計算により確認した。いずれの構成においても、マイクロ波~ミリ波域のレーザ駆動において、変調指数の向上が確認された。光半導体部品などのハイテク部品によらず、変調指数向上あるいは周波数帯域拡大が可能な有効な手法であることを示した。(2), (3)の成果はそれぞれ国内学会および国際会議にて発表済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19感染症の影響で学会発表など、繰り越した業務が未達となっている。一方、研究の中身(本務)は計画通り実施できた。調書明記のテーマとして、周波数変換モジュールを実現し、それを用いた周波数変換の実証実験に成功した。余剰の時間・人的資源を用いて、調書には明記していない周辺技術として、変調指数の向上(周波数帯域拡大)技術の提案と数値計算実証、強度雑音の実験的評価が進展した。 得られた成果の多くは国内学会にて報告済みである。しかし、採択されていた国際学会の招待講演がCOVID-19感染症の影響によって2020年3月から2度延期されているため発表にいたっていない。現在予定されている2022年3月予定の国際会議にて発表予定である。さらに延期が繰り返される場合や海外渡航が禁止される場合には、他のオンライン会議での発表を検討する。 上記のとおり、成果の報告が滞っているが、研究の中身(本務)については計算による検証も実験(デモンストレーション)も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
予測不能のCOVID-19により、令和元年度終了を令和3年度終了へと研究期間の延長を行った。研究そのものとしては目標を達成したと判断しているが、学会などの発表機会が激減しているため、学会発表からジャーナル論文への変更で対応することも検討する。 調書に明には記述していない多くの派生技術が生まれた。例として、レーザ計測応用やレーダによる噴煙観測技術などが挙げられる。これらの技術を来年度以降の科研費などの競争的研究資金の申請につなげる。研究室内の教員とできるだけ多くの大学院生にこの研究に従事させることで、研究と教育の両方に資するようにする。逆境下にあっても遠隔講義・会議などを駆使して、大学院生の研究指導を継続する。
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Causes of Carryover |
招待講演としての発表を予定した国際会議が令和3年に延期となり、令和2年度の支出ができなかった。令和3年度に繰り越して、研究活動に充てる。
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Research Products
(8 results)