2018 Fiscal Year Research-status Report
自動復旧・運営維持可能な動的ネットワーク技術に関する先駆的研究
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17K06455
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
田中 秀磨 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (30328570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 消失誤り訂正符号 / 条件付き閾値秘密分散 / MILP / Division Property / proxyログ解析 / 機械学習 / Linguistic Approach |
Outline of Annual Research Achievements |
消失誤り訂正符号を用いた秘密分散手法に関しては、前年度までに予想外に理論的研究が進捗し、多機能化、シェアの汚染や故意に誤ったシェアを提出する復元妨害の検知や不正者の特定手法までを実現した。本年度はこれに関し、実装まで視野に入れたアルゴリズムの一般化を行なったところ、いくつかの誤りとアルゴリズムの冗長性に関して国際学会に投稿した査読結果にて指摘され、修正と再検討を行い、改めて国際学会に投稿し採択された。また代数的手法に関する研究テーマにおいて、MILP手法を用いた代数特性の探索を軽量ブロック暗号Picolloに対し適用した結果を国内学会にて発表した。この内容は、当初は直接的には本テーマに関連しないと考えていたが、線型計画法を用いた特性探索の手法は自動復旧のための初期設定に応用可能であるという着想が得られ、本研究活動に含めることとした。攻撃検知に関しては、前年に引き続き機械学習や自然言語処理の手法を大幅に取り入れ、マルウェアが実行する検知しにくい通信を言語学的検知からログ解析を行うことで発見できる手法を提案し、国際学会に採択された。これは攻撃が実行中でも通信が遮断されないように対策するための情報取得であるが、そもそも攻撃されないように通信を隠蔽する手法へ応用可能であるという着想も得られた。このようなマルウェアの手法を防御に応用するのは極めて異例な手法と考えられる。 一方で、ネットワーク全体に意図的に雑音を負荷することで攻撃そのものの実行が難しいネットワーク構成法に関して、低SNR環境向けの短縮型LDPC符号の研究から着想を得ることができた。自動復旧の機能を実現するアイデアの着想はまだできていないが、攻撃がされている環境下でも安定した通信が実現できると見込まれ、今後の研究課題に加えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究成果は間違いの訂正など、あまり建設的な話題でないことに時間を割かれたが、前年度の進捗が予想外に高かったため、全体として見れば概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で取り組む予定であったゼロ知識証明を応用したプロトコルの開発に取り組む予定である。また、LDPC符号を応用した別の手法による動的ネットワーク技術の実現手法の着想も得たので、同時に研究を進める予定である。実機による実証実験が当初予定にはあったが、予算だけでなく所属機関で導入する機材も見送られた関係上、実行は不能であるので、理論研究の充実に方針を切り替える。
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Causes of Carryover |
前年度の研究進捗から予想外の学会発表が見込まれ前倒し支払いの処理などを行なったが、報告にあるように間違いの修正などを行なったため論文投稿、学会参加の機会を失い、本年度の使用が控えめとなった。しかしながら、問題は既に解決し以降はまた活発な学会発表が見込まれる。
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