2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on dynamic network technology capable of automatic recovery and operation maintenance
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17K06455
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
田中 秀磨 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (30328570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パスワード強度評価 / マルコフ過程 / 視覚秘密分散 / 情報理論的安全性 / 擬似乱数 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナの影響により開催が不明であった国際学会が実施され、2件の論文を投稿し両方とも受理され発表を行うことができた。1件目はパスワードの安全性評価手法に関する研究テーマであり、動的ネットワーク解析のために別途研究を行っていたマルコフ過程を応用したものである。本内容は、パスワードの文字列における文字の繋がりの条件付き生起確率からパスワードの自己エントロピーを求め安全性を評価するものである。この手法は自然言語処理におけるn-gramを用いた手法として既知のものであるという指摘を受けたが、1)条件付き生起確率を漏洩パスワードデータ2TBを用いて算出している、2)先行研究では5-gramが有効という結論だが長い文字列だと過大評価に陥る可能性があり、提案手法のように2-gramが妥当である旨の議論ができた。この点で本研究の実用性が主張できたことと、安全と判断する閾値を統計的に設定する手法も提案していることで、十分に本研究の成果を主張できたことは大変有意義であった。 2件目は動的ネットワークの安全性達成に必要なハミング重みを固定した一種の擬似乱数を考察している際に副次的に得られた研究成果である。視覚秘密分散は情報里理論的安全性を達成できると示唆されているが、明確にこれを示す先行研究がなかったため、まずはこの点を明らかにした。その結果、情報里理論的安全性を達成するためには真性乱数が必要であり、視覚秘密分散が対象とするデータ量に対して十分な真性乱数性が示されることは実用上困難であることを指摘した。実際には擬似乱数生成器を利用しており、先行研究の大部分は汎用的なアルゴリズムを用いている。この場合、シェアを生成する生成行列の行のハミング重みが全て等しくないと偏りが生じ、安全性が低下することを明らかにした。
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