2019 Fiscal Year Annual Research Report
Auditory Brain Machine Interface with Help of Stochastic Resonance
Project/Area Number |
17K06462
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西藤 聖二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60253168)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ブレインマシンインターフェース / ブレインコンピュータインターフェース / 確率共鳴 / ピンク雑音 / クラスター分析 / 聴覚型BMI / 触覚型BMI / 自発型BMI |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度では、(1)聴覚型のブレインマシンインターフェース(BMI)について、効率的に確率共鳴を誘発する雑音の探索とそれを用いたインターフェースの構築、評価を行った。あわせて、実用的な見地から、(1)では断続的に提示する音刺激に対する脳波応答の鈍化が懸念されるため、併用を念頭に、(2)触覚型BMI、(3)自発型BMIといった異なるモダリティのBMIも検討した。 (1)のBMIにおいて、聴覚刺激に、白色、1/f(ピンク)、1/f^2(ブラウン)の3種類の雑音をそれぞれ加えて、聴性定常反応の振幅の雑音強度依存性を調べた(健常被験者6名)。雑音強度依存性をクラスター分析を用いて3種類に分類した結果、3つの雑音全体では、確率共鳴を示唆するベル型の雑音強度依存性を示したものが、被験者平均で54%(22~68%)となった。中でもピンク雑音では、ベル型の雑音強度依存性の割合が60%と、白色(55%)、ブラウン雑音(48%)よりも若干高かった。 そこで、ピンク雑音を用いた聴覚型BMIの精度を調査したところ、健常被験者4名について、1部位の判別精度の被験者平均が雑音無付加時で67.5%に対して雑音付加時で72.5%と若干改善された。雑音付加によって10%以上の改善がみられた被験者も2名おり、雑音の適用にあたってはユーザの特性に応じた可否の決定が必要である。 (2),(3)については、いずれも基本的なシステム構築のための刺激条件や課題設定を行っており、雑音の利用には至っていないが、(2)では用いる振動刺激の振幅変調による効果、(3)ではしりとりのような言語野を刺激する精神課題がα波の変調に有効であることを健常被験者((2)で4名、(3)で6名)で見出した。とくに、(3)では、被験者平均の判別精度が90%で、再現性も確認され、(1)との併用が有望であることが分かった。
|