2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on the creation of measurement, estimation and control support systems based on mapping
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17K06464
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
緒方 公一 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (10264277)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 信号処理 / マッピング / パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,先に開発した声道音響管マッピングインタフェースが,多次元のパラメータを効率的に制御したり,音声信号から声道形状を逆推定できたりする特長を発想の原点として,その深化と共に,マップに基づく効率的なモノの制御,計測できる出力信号からの原因としての入力信号(状態)の推定などへの応用を目指すものである。 本年度は,子音を含む音声からのマッピングインタフェースを用いた声道形状逆推定の研究を継続し,子音の種類や被験者を増やし,マップ上の軌跡や声道形状について検討比較した。同じ検査語でも,被験者によりマップ上の軌跡の推移経路が異なり,例えば口唇部の開きの違いなどが観察された。また,子音/g/の発話に向けた調音動作について推定された声道形状では,舌背部分に相当する位置に声道断面積の減少が観察され,先行研究での結果に合致することが確認されている。すなわち,マッピングインタフェースが理にかなった推定結果を出力し,口腔内の形状把握支援に有効であることが確認されている。母音に対する声道断面積の推定結果の妥当性については,文献による報告との比較を継続的に進めているが,これらと合わせ,本インタフェースの汎用性が示唆される結果を得ている。その他,Virtual Reality環境でのコントローラーとしての視線インタフェース開発,高倍率ズーム対応のネットワークカメラが利用できるAugmented Reality 環境の構築と長距離マーカ利用,OpenCV を用いた複数のアルゴリズムによる頑健な物体追跡の実現など,空間把握用各種マップ構築活用に向けた要素技術の開発研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子音を含んだ音声についての声道形状逆推定結果の検討が進んでおり,検査語の種類や話者の違いによる逆推定軌跡のマップ上パターンの違いが観測され,音響管としての形状の変化が推測できるようになっている。また,計測に活用できる視線システム,物体追跡システムなどの個々の要素の開発も進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
音声からの声道形状逆推定の研究では,使用するマップのバリエーションを検討し,現在の男性を想定したマップのみならず女性を想定したマップの可能性有効性についても検討する。また,実音声からの逆推定の軌跡と合成音声に基づく軌跡との間には現状では違いが見られるが,軌跡を類似させることで合成音声の質向上に結びつく可能性がある。軌跡の生成という観点から合成音の生成モデルの改良を検討する。個々に開発を進めているシステムについては,観測データの状態等を表現できる有益なマップの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
配当額に近い執行額となっており,次年度使用額は小額である。比較的に近い都市で学会が開催されたこともあり,旅費の支出が予定額を下回ったことが,差額が生じた主な理由である。次年度は,主に論文発表のための掲載料や出張費の一部として使用予定である。
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Research Products
(6 results)