2018 Fiscal Year Research-status Report
レーザスペックル法を用いた超小型水晶鏡面振動子における絶対変位量の計測
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17K06466
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡部 泰明 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60175130)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Laser Speckle干渉 / 鏡面反射 / 紫外線レーザ |
Outline of Annual Research Achievements |
Laser Speckle法を用いて鏡面反射が取得可能という課題について,近紫外光半導体レーザ素子を用いる方法を提案した.平成29年度では,鏡面反射を用いた測定系を製作し基礎となる物性値を取得し,紫外光レーザ(377 nm)を用いて試料に対し入射して,その反射光を点型光検出器により測定するものであった. 平成30年度は,以下のような結論が導き出された. 1)377nmレーザを用いることで,鏡面に対して自由な入射角度等を制御可能であることが分かり,入射角10°~45°までは拡散反射が30%(70%がLaser Speckle干渉で有効)であることが,シミュレーションより明らかになった.更にそれを実験で確かめた.(文献1,2) 2)振幅の絶対変位を測る実験を行い,当初はMichelson干渉を用いたが既存システムでは1μm以下は測れないことが分かった.そこで急遽Laser Doppler測定法に切り替えた.3)その結果,10nmを超える振動変位が絶対値で測定できることが分かった.4)その技術をLaser Speckle干渉に応用した.(文献3) この様な結論を踏まえ以下の論文および講演を行った. 1)Y. Watanabe,et al., Laser SpeckleのためのUV光を用いた鏡面測定,超音波テクノ(2018-10) 2)Y. Ma, et al.,Polished Surface Measurements at Ultraviolet Wavelengths (377 nm) for Laser-speckle Methods, 学振 弾性波素子技術第150委員会, (2018-8) 3)J.Wang, et al.,Laser Speckle干渉計による655nmおよび377nmに対する応答について,第66回応用物理学会 (2019-3)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由としては,以下の様なものがある. まず1)紫外レーザおよび紫色レーザを入手できたことが挙げられる. 次に2)レーザ架台を正確に調整できたことが挙げられる.これは科研費補助金を利用して角度計を購入したことが大きく貢献している. 次に3)偏光子とナチュラルデンシティ(ND)フィルタを装備した点型光検出器振幅特性が,ロックインアンプ(科研費補助金)による検波回路を通して容易に求まることが分かり,理想的な実験を行うことができた. 次に4)システムを組み直して,Michelson干渉とLaser Speckle干渉計を持つ鏡面反射特性システムに変更した.この際,Michelson干渉は1μm以下では測れないため,急遽Laser Doppler測定法に切り替えた.この間一ヶ月程度時間を要したが,Laser Doppler法に直して10nm以下でも振動変位計測が絶対値で行えるようになった. 更に5)Laser Doppler法およびLaser Speckle干渉システムでは,Laser Speckleで得られる2枚の画像を相関処理することで,正確なスペックル画像を求める方法である.この方法を独自の手法で開発した.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,去年度実施のLaser Doppler法における絶対変位をLaser Speckle干渉に“戻す”計画をせねばならない.Laser Speckle干渉では2枚の画像を相関処理することで間接的に変位を計測することが可能である.その相関値と外部のセラミック振動子を駆動する電圧で表し,Laser Doppler法に対する電圧および相関値に対する電圧を描画することで,相関値とLaser Dopplerの比較が出来る予定である. 次に圧電デバイス(水晶振動子および他のデバイス)の鏡面振動を計測したいと考える.まず水晶振動子では,鏡面反射は非常に難しいと考えられ,まず水晶を突破できるかが今後の鍵となる.ここでは振動子の形状寸法を正確に測り,まず鏡面反射をLaser Speckle干渉で計測することから始めたい.次に相関値とLaser Doppler法を用いて絶対振動変位を測る予定であり,装置を完成させることが必然である.
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Causes of Carryover |
次年度始めに学会等があるため
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