2019 Fiscal Year Research-status Report
レーザスペックル法を用いた超小型水晶鏡面振動子における絶対変位量の計測
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17K06466
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡部 泰明 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60175130)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Laser Speckle / 画像相関 / 鏡面 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,これまで開発してきた圧電振動デバイス振動モード可視化システムをベースとし,より高度かつ未踏の問題である鏡面振動デバイスの2次元振動変位測定にアプローチするために,システムの改良を行い,次世代鏡面振動デバイス設計製作を促進する2次元振動変位分布計測技術を進めた. 一昨年度はAlとAuの2種の鏡面を用いた実験を行い,昨年度はレーザドップラ装置を導入して,鏡面でも比較的容易に解析できることを明らかにした.また鏡面測定を測るため正確に入射角16°および赤色レーザ(波長 630 nm)を入射することで,レーザスペックル干渉が得ることが分かっていた.さらに一昨年度は鏡面反射を測定するために,AFM(Atomic Force Microscope)を導入し,鏡面構造がλ/10であること,すなわち完全に鏡面であることを証明した.この様な手順で鏡面測定は行われていたが“面内振動を測るためにレーザ入射角を水平にできないのか”という問題があり,また水平面に対し垂直な方法,所謂面外変位を撮影できないのか等の問題があった. これを受けて昨年度は,レーザーに波長462nmを用い,角度10度でAu膜による実測をした結果,垂直方向の反射量が約60%(Laser Speckleでは約40%有効)であったため,この値を採用し,種々の測定を行った.その結果,新たにレーザドップラ振動計を購入し,レーザスペックル干渉との画像相関を試みたところ,画像相関値を通して関係性があることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鏡面の測定では,波長と入射角が最も大きな要素を占めるのである.波長を固定(377nm ~ 462nm)として,入射角を調整したところ,10~30度で最大の垂直方向反射量が得られることが一昨年度に証明された.これを基に昨年度は,Laser Doppler振動計を購入し,レーザスペックルとの画像相関を試みたところ,画像相関値を通して直線の関係性があることがわかった. 今年度は,最終年度であるため,上記のレーザドップラ振動計とLaser Speckle干渉の相関値を求めるのが,科研費で行う最後のミッションである.具体的には圧電デバイスを可視化するため機材の設計から始め,次に当デバイスを共振周波数で動かしてその動作を確かめる,その時得られた相対変位から絶体変位を求める手法について考察する.
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Strategy for Future Research Activity |
上記で述べた様に,まず鏡面圧電デバイスを測るところから始め,共振周波数でどれだけ相対変位があるかを検証したい.圧電デバイスには,自ら保有する水晶振動子(ファンダメンタル4MHz)を用いて行う.この相対変位を絶体変位に導くことを目標にしたい. 次に未知の領域であるが,圧電デバイスとしてSC-cut水晶振動子を測ることを第2の目標としたい.このSC-cut水晶振動子は,OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillators)など高周波機器に導入されているが,高次モードでは測られた実績は無い,相対変位から絶体変位を確実に求められれば,SC-cut水晶振動子の持つ任意のサポート点を計測するのに役立つと思われる.
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Causes of Carryover |
国際会議に出席予定だったが,COVID-19のウィルス影響があり,中止したため.
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