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2020 Fiscal Year Research-status Report

ナノ粒子による電場増強を用いた高感度な光学式酸素センサの開発

Research Project

Project/Area Number 17K06469
Research InstitutionSoka University

Principal Investigator

関 篤志  創価大学, 理工学部, 教授 (70226629)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡辺 一弘  創価大学, 理工学部, 教授 (40240478)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords蛍光増強 / 電場増強 / ナノ粒子 / 酸素感受性蛍光色素 / 酸素センサ
Outline of Annual Research Achievements

蛍光測定システムを構築し,ルテニウム錯体濃度の蛍光強度依存性を検討するとともに,針状光ファイバを用いる蛍光強度測定実験から得られた結果との比較を行った.また,銀ナノ粒子が蛍光強度に与える影響について検討した.
4面透明セルに試料をいれ,コア径0.6mmの光ファイバを用いて一方向から波長470nmの励起光を照射し,照射角度と90度の向きに設置された光ファイバ端面により蛍光を受光して計測器へ導入した.錯体濃度が0.06mMまでは濃度の増加とともに蛍光強度は増加したが,これ以上の濃度では内部遮蔽または濃度消光による減少が認められた.通信用の光ファイバを針状に研磨したものを用いた蛍光測定より検出感度は高いが,これは光ファイバの径が125μmであり,入射光を導入した光ファイバのコア径0.6mmより細く入射光および蛍光を受光する面積が小さいために検出感度が低下したと考えられる.
銀ナノ粒子存在下におけるルテニウム錯体の蛍光強度を測定したところ,銀ナノ粒子密度の増加とともに蛍光強度は減少した.これは銀ナノ粒子により励起光および蛍光が散乱されたため,あるいは蛍光色素と銀ナノ粒子が接触したためにエネルギーが銀ナノ粒子に移動し,これにより発光が減少したと考えられる.
励起された蛍光色素のエネルギーが銀ナノ粒子に移動しないよう,銀ナノ粒子と蛍光色素が適度な距離を保つために表面がポリカチオンで覆われた銀ナノ粒子を調製した.この表被覆銀ナノ粒子存在下に蛍光色素の蛍光スペクトルを測定したが,蛍光増強は認められなかった.これは,蛍光色素と銀ナノ粒子間の距離が蛍光増強に適した状態を維持できていないためと考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症対策のため,4月から8月までは大学への出講が禁止に近い状況であったため,ほとんど実験を行えなった.9月以降は入構規制のレベルは下がったが,オンライン授業の準備に時間を取られたため,計画通りに研究を進めることができなかった.

Strategy for Future Research Activity

蛍光増強が生じるためには,蛍光色素と銀ナノ粒子の配置と距離を最適に維持することが必要である.すなわち制御された厚さを持つ多孔質シリカ層を銀ナノ粒子表面に形成し,これらの銀ナノ粒子に挟まれるように蛍光色素を配置することが必要となる.オルトケイ酸テトラメチルを銀ナノ粒子存在下でアルカリ加水分解することにより,多孔質シリカ被覆銀ナノ粒子を調整する.ポリアニオンとルテニウム錯体陽イオンを混合することによりルテニウム錯体複合体を形成させる.これらを混合することにより,銀ナノ粒子・ルテニウム錯体複合体を形成する.これをガラス基板にキャストすることにより複合体薄膜を形成する.これに励起光を照射して発生する蛍光強度を測定し,蛍光強度が起こる銀ナノ粒子密度および蛍光色素濃度の検討を行う.溶液状態における蛍光測定並びに蛍光増強の検討も行う.
光ファイバ末端面に銀ナノ粒子・ルテニウム錯体複合体を固定化し,光カプラを介して励起光源と受光装置に接続する.光ファイバ末端面に励起光を導入し,末端面で発生した蛍光を受光装置で測定する.膜中の銀ナノ粒子の密度と蛍光強度の関係を検討し,最大の増強が生じる条件を見出す.
これまでの研究成果で,光ファイバ末端を針状に研磨することにより,蛍光色素濃度と蛍光強度が広い範囲で直線関係が得られることが示されているので,針状研磨した光ファイバ末端に銀ナノ粒子・ルテニウム錯体複合体を固定化し,銀ナノ粒子により増強された蛍光の酸素濃度依存性について検討する.

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症対策のため,大学への入構が実質上禁じられたため予定通りに研究を進めることができなかった.前年度までに購入した試薬や器具を用いて実験を行ったため,次年度使用額が生じた.
2021年度今現在は大学への出講が制限されていないので,昨年度に使用予定であった助成金を用いて試薬などを購入し,研究を進める予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Journal Article] Quick response hydrogen LSPR sensor based on a hetero-core fiber structure with palladium nanoparticles2020

    • Author(s)
      Mikami Masahiro、Komatsu Daisuke、Hosoki Ai、Nishiyama Michiko、Igawa Hirotaka、Seki Atsushi、Kubodera Shoichi、Watanabe Kazuhiro
    • Journal Title

      Optics Express

      Volume: 29 Pages: 48~48

    • DOI

      10.1364/OE.412789

    • Peer Reviewed
  • [Patent(Industrial Property Rights)] 塩センサ装置およびその製造方法2021

    • Inventor(s)
      関篤志,渡辺一弘,他5名
    • Industrial Property Rights Holder
      関篤志,渡辺一弘,他5名
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      2021-009149

URL: 

Published: 2021-12-27  

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