2018 Fiscal Year Research-status Report
Research on a method to transfer high-level skills extracted from sensing information to robots
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17K06471
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
橋本 学 中京大学, 工学部, 教授 (70510832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋月 秀一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (40796182)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熟練作業 / 暗黙知 / 作業動作分析 / 動作特徴量 / 物体認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度には,作業動作の分析技術として,昨年度に提案した視線と手の動きに着目した特徴量をさらに発展させ,これら個別の特徴量に加えて,これらの相互関係を記述できるような統合手法について検討した.具体的には,視線と手の位置情報をコード列に変換し,視線と手のコードの共起発生頻度を分析のための特徴量とした.これにより,たとえば,視線と手の同時共起性や,時間遅れの傾向などを読み取ることができる.なお,予備実験の結果から,これ以降の実験では作業者の利き手と非利き手を区別することとした. この特徴量を用いて組立作業を想定した評価実験をおこなったところ,作業者による技術の習熟過程において,「初級者が中級者に習熟する過程」では非利き手の動きに関して特に顕著な差がみられること,また,「中級者が熟練者に習熟する過程」では,視線の動きに関して特に顕著な差がみられることが判明した.すなわち,初級から中級,中級から熟練のプロセスにおいては,習熟の内容に違いがあり,たとえば教育システムの設計時にも,これらの傾向に合わせた教育方法や助言方法を検討する必要があることが示唆される. さらに,作業対象の物体の位置や姿勢を認識する手法として,対象物を多面体に限定した上で,面情報をベースに仮説を生成し,DeepLearningにより得られた面セグメント情報を利用して仮説の尤度を検証することによって,二等辺三角柱および円柱形状の物体をモデルレスで認識する手法を提案した.これについても,実験により,距離データに基づく物体認識が有効であることが確認された. なお,これらの一連の研究成果は,国際会議International Workshop on Advanced Image Technologyで発表し,Best Paper Awardを受賞した.また国内会議5件発表し,うち1件はBioX研究会奨励賞を受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作業動作の分析については,前年度に提案した熟練要因の抽出手法に基づいて,新たな統合的分析手法を提案し,有効性を確認できた.また物体認識手法についても新手法の提案に至った.これらについては予定以上の成果になったと考えている.動作データのアーカイブについては,未整理段階であるが着実に進んでいる.一方,当初予定していた動作シンボルの整理については,動作を表すキーワードの整理が難しく,やや難航している.以上のことから,研究の全体的な進捗状況としては,ほぼ予定通りと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度は,前年度に達成した熟練要因の分析をさらに進める予定である.作業動作のアーカイブについてもひきつづきデータ取得を進め,データベース化する予定である.さらに,得られた知見をもとに,ロボットに熟練の技を転移するために,熟練の要因(暗黙知)を定量的(形式知)に変換するシステム設計を行う予定である.
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Causes of Carryover |
研究成果の発表先として予定していた精密工学会2018秋季大会が,現地の災害(地震)により開催中止となったこと等による旅費支出が少なくなったこと,および,学会参加費が当初予定より少なかったことに起因して次年度使用額が生じた.これについては,2019年度の学会発表(国際会議含む)にて使用する予定である.
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