2019 Fiscal Year Research-status Report
制御器状態の最適リセットに基づく拘束システム制御論の構築
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17K06497
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和田 信敬 広島大学, 工学研究科, 教授 (50335709)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モデル予測制御 / 状態リセット / 外乱抑圧 / 目標値追従 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,外乱抑圧性能を最適化するモデル予測制御則の構築と,その実験的検証を試みている.2019年度は,1)前年度構築した制御則を,出力フィードバックに拡張し,2)実験を行うための環境構築と基礎実験を実施した.まず,1)については,オブザーバを併用することで出力フィードバック化した.さらに,オンラインで凸二次計画問題を解くモジュールをセクター有界な非線形要素として扱い,システム全体の安定性を保証するためのロバスト補償器を設計する手法を構築した.実際の機械システムでは,一部の状態のみ観測可能であることがほとんどである.そのため,今回の拡張により,幅広い機械システムに提案法を適用することが可能となった.また,2)については,研究計画に従い,まず,高精度ドライビングシミュレータに提案制御アルゴリズムを実装し,実時間での実装が可能であることを確認した.つぎに,提案制御手法を小型車両実験装置へ適用するための準備として,実験装置の数式モデル化,および,物理パラメータの同定実験を行った.これに加え,簡易な制御則により,基礎的な旋回運動制御実験を実施した.なお,上記の成果の内,車両制御に関連する部分については,国内口頭発表済みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的な面では,当初予定通りに進展している.また,実機実験についても,ドライビングシミュレータによる検証までは,予定通り終了した.さらに,小型車両実験装置に提案法を適用するための基礎実験も終了した.そのため,全体としては,おおむね順調に進んでいると考えている.しかしながら,実施の際,実験装置のコントローラボードに誤って過電圧を加えてしまい,破損した.そのため,実験装置の部品調達,修理,並びに,検証実験を,2020年度に改めて実施することが必要になった.そのため,やや遅れていると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,前年度の残りの課題である,実験検証を実施する.具体的には,本申請課題で開発したモデル予測制御手法を,小型車両実験装置に適用し,その有効性を検証する.さらに,構築した制御系設計論をまとめ,査読付き雑誌論文にまとめ投稿する.
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Causes of Carryover |
2019年度に,小型車両実験装置による提案制御手法の検証実験を実施する予定であった.しかしながら,実施の際,実験装置のコントローラボードに誤って過電圧を加えてしまい,破損した.そのため,実験装置の部品調達,修理,並びに,検証実験を,2020年度に改めて実施することが必要になった.今年度の予算により,コントローラボードの修理を行い,検証実験を実施する予定である.
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