2018 Fiscal Year Research-status Report
Design methodology for mutually complementary dynamics of multidimensional nonlinear systems based on monotone preserving transformation
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17K06499
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| Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
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Principal Investigator |
伊藤 博 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (70274561)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 制御理論 / 非線形システム / ダイナミクス / 安定論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
多数の非線要素の和合によってダイナミクスを性能保証付きで設計する手法を開発するため、平成２９年度は積分入力状態安定性という概念を持ちいて多次元システムのモノトーン表現を導出し、その単調保存変換の求解と数理性質の解析により基盤を作りあげた。モジュール追加あるいはシステム同士の結合によって生まれる多次元性は、個別状態では隠れていた非線形領域にダイナミクスを誘導し、孤立単体にはない現象を発現させ、大量エネルギの放出・消費や、崩壊につながる危険性があることを数式的に確認した。これを予測・防止するための非線形性の和合の指標として、「入力のない収束性」と「入力のある有界性」を融合した数理的定式化に成功した。平成３０年度には、これを単調性の活用による(制御)リアプノフ関数(CLF)の統一構成法へと発展させることができた。これは幾何学的な方法であることから、有界ではない非線形要素の和合を直感的に予測・確立できる独創的で実用性の高いものとなった。このアイディアはシステムの大きさによらずスケーラブルに適用できることも明らかにし、巨大ネットワークへにおける非線形性の和合も予測・確立を可能にした。その成果は非線形システム制御におけるフィードバック制御器の設計論の開発にも応用し、積分入力状態安定性に基づくオブザーバを用いた出力フィードバック制御の大域的保証付き理論を世界で初めて可能にすることができた。その成果を応用することで、測定できない状態の区間を特定するインターバルオブザーバ（状態モニター）の開発にも新しい可能性を見出している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多次元非線形系の協和ダイナミクスの保証付設計論の開発という目標達成に向け、(A)単調保存変換の求解と数理性質の解析、(B)遅れ不変な単調保存変換の導出、(C)単調保存変換の分布定数対応、(D)スケーラブルな判別不等式の導出、(E)判別不等式の代数的計算への変換、(F)超直方体制約のない終局領域の保証、(G)単調性を活用した(制御)リアプノフ関数((C)LF)の構成、(H)単調CLFによるダイナミクス設計論の枠組化、(I)インターバルオブザーバの設計理論の整備という９個の研究項目を定めた。平成29年度は(A)と(D)および(F)のアイディア創出と原始的具現化に取り組み、予定通りの成果を出した。平成30年度は(A)(D)の成果にさらに(F)を全面・積極的に組み込んで抽象化を進め、当初は予想していなかった幅広い統一力を持った幾何学的に明解な数理的理論枠組として(G)を導くことに成功した。当初予測からすると十分完成に近い状態ではあるが、まだまだ発展が期待できる画期的なリアプノフ関数構成のアイディアである。(H)としてオブザーバを用いた出力フィードバック制御設計法の開発に取り組み、幾つかの大域的な性能保証に成功し、速報として会議発表、および、会議発表投稿まで進んだ。成果の詳細の幾つかは分野世界一の二大学術雑誌に投稿し、改訂段階まで進んでいる。非線形要素の協和ダイナミクスを活用して、(I)の研究も始め、初期成果を国際学会発表に投稿した。(I)の研究は研究代表者の別の関連研究の発展も加速し、幾つか成果発表している。これらは、能力のある海外研究協力者の招へいと訪問による討論を活用する計画の効果が現れた結果である。平成29年12月のオーストラリア訪問の後にも多くの討論を遠隔で行うだけでなく、平成31年2月にフランス研究者を１名招へいし、当初の計画以上の成果に結びついた。
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| Strategy for Future Research Activity |
2年間で確立させた(G)の基盤理論を基に、最終年度は単調保存変換の遅れ(B)と分布定数(C)の対応化に取り組む。当初2年目の後半から着手予定であったが、(G)において予想以上に統一性の高い着想に成功したため、その確立に2年目を利用したこと、独創的な予想以上の(G)(H)の達成に至ったことなどが理由である。一方、その成果によって(B)(C)に予想外の難しさがあることを見出した。一般化エネルギーの単調性に基づく非線形要素の和合では、一般に要素毎の分離性が消えることが分かったためである。孤立単体にはない現象の結合による発現からの説明にも成功した挑戦的課題であるが、本助成金の最終年度に世界でまだ取り組まれていない本質的難問に着手できることは、理想的な研究の道である。(D)(E)は超直方体に制限されない本当のダイナミクス(F)を実現する形で幾何学的な代数方程式に2年目に帰着できた。最終年度は一般には数値解や陰的表現で得られる解を、陽な代数的解として導出する可能性を探る。(H)は出力フィードバック制御設計において非線形システム制御分野に本質的新枠組みを提供する潜在性のある成果に2年目に行き着いた、大成果として仕上げるため海外研究者と討論を引き続き行う。移動型ロボットやマルチエージェントの集団移動ダイナミクスなどのロバスト性への活用を検討するため、シミュレーションと実験には大学院生の協力を得る。(I)では実用性の進化に取り組む。これらの研究を大きく推進、完成させるため、招へい、あるいは、訪問により海外研究協力者から意見を集め、討論を行う。国際会議出席の機会に連動させる等実現性の高い効率化の工夫をする。国内外の学会・集会・ワークショップで成果を公開する。いくつかが極めて大きな成果であるため、分野世界一の二大学術雑誌等に投稿して採録を狙う。掲載まで数年かかることもあるが、十分の価値がある。
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[Book] Positive Systems: Theory and Applications (POSTA 2018)2019
Author(s)
James Lam, Yun Chen, Xingwen Liu, Xudong Zhao, Junfeng Zhang, Maria E. Valcher, Hiroshi Ito, Bjoern S. Rueffer, Li-Juan Liu, Xi-Ming Sun, Yue Wang, Hongwei Wang, Jie Lian, Jinjin Liu, Shanen Yu, Zhiqiang Li, Ting Zhang, Shuai Li, Duyu Liu et al.
Total Pages
pp 247-268
Publisher
Springer
ISBN
978-3-030-04326-1
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