2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K06504
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
忻 欣 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (70293040)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 劣駆動ロボット / 可制御性 / 非線形制御 / 安定化制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高劣駆動度系(いわゆる、一般化座標数と制御入力数の差が2以上の系)を対象とし、その物理的構造と固有の非線形特性を活かして、その可制御性・可観測性、大域的な安定化制御、目標軌道への追従制御等の中核的な問題を解決し、高劣駆動度系の新しい制御理論を構築することを目的とする。 本年度では、以下の主な研究成果を挙げた。 1. 高劣駆動度系の可制御性と可観測性に対して、水平面において一定速度で回転する円盤上のnリンクのロボットを対象とし、そのすべてのリンクが一直線である状態の近傍において、そのロボットが機械パラメータによらず可制御と可観測であるための必要十分条件は関節1が駆動であることを示している。 2. 劣駆動ロボットのすべてのリンクが共に鉛直真下姿勢で静止した真下平衡点への振り下げ制御は、クレーン系の振れ止め制御や体操競技の姿勢制御などに求められるものである。2つの2リンクの劣駆動ロボット、および関節1のみが駆動である3リンクロボットを対象とし、その非線形動特性を活かした振り下げ制御則を提案するとともに、その制御則下でのロボットの動きを大域的に解明し、その提案則の有効性を示している。 3. 体操競技のつり輪運動を、関節1(ロープの根元)と関節2(体操選手の手)が非駆動、関節3(体操選手の肩)が駆動とモデル化したロボットを対象とし、そのリンク1(ロープ)が鉛直真下、リンク2 と3 が鉛直真上(体操選手が倒立する)の目標平衡点を安定化する問題を扱った。従来のエネルギー制御法に閉ループ系の即応性の改良を加えて、目標平衡点の近傍までのエネルギー制御則を設計し、その特異点回避の必要十分条件を与えている。また、シミュレーションより、設計したエネルギー制御則が、目標平衡点の近傍で状態フィードバック安定化制御則に切り替えられ、目標平衡点の安定化が成功したことから、提案法の有効性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いつかの研究成果は国際会議等で発表されている。また、得られた成果を国際学術雑誌に投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画のとおりに研究を進める予定である。また、得られた成果を国際学術雑誌などに投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行額は異なったが、残った研究費で、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(9 results)