2017 Fiscal Year Research-status Report
ICT建機の施工履歴データを用いた3次元モデルの生成・活用技術に関する研究
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17K06517
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
今井 龍一 東京都市大学, 工学部, 准教授 (90599143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 寿俊 九州大学, 工学研究院, 助教 (10648611)
塚田 義典 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (50622643)
窪田 諭 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (60527430)
中村 健二 大阪経済大学, 情報社会学部, 教授 (70556969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | i-Construction / 施工履歴データ / 3次元モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
国土交通省では、ICTの活用による建設生産プロセスの全体最適化を図るため、i-Constructionを推進しており、主に調査、設計、施工における3次元の点群データの具体的な活用方策を示している。特に、出来形管理では、点群データの活用によって、従来の2次元ではなく、3次元の形状比較による出来形管理が可能となった。一方、点群データの取得は、UAVやLS等の新たな測量機器による計測が前提であり、センサを搭載した建設機器の施工履歴データは、時系列の3次元座標を保持するにも関わらず一部の適用に留まっており、維持管理での活用方策も示されていない。本研究は、この施工履歴データに着目し、施工履歴データの出来形管理への適用可能性を明らかにするとともに、出来形管理成果の維持管理段階における活用技術を開発するものである。 平成29年度は、ICT建機の施工履歴データの有効活用を図る支援方策として、施工履歴データの出来形管理への適用可能性を検証した。具体的には、施工履歴データを用いた3次元モデルの生成手法および出来形管理手法を考案し、試作した舗装3次元モデルと設計データとの舗装厚さおよび幅員を比較検証するとともに、工事完成図書の出来形管理資料と照合分析することで、その有用性を確認した。結果として、施工履歴データから工事目的物の3次元モデル(3次元出来形データ)を生成できることを明らかにできたとともに、施工履歴データを用いた出来形管理手法の確立に向けての実現性を示唆する知見を得ることができた。 なお、土木学会の第42回土木情報学シンポジウムにおいて本成果を発表した。また、本成果は、土木学会の論文誌(査読有)である土木学会論文集F3(土木情報学)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に実施予定であった「i-Constructionにおける出来形管理に係る基準・要領の調査と要件定義」および「施工履歴データの収集と解析」を予定通りに遂行できたことに加えて、平成29年度から平成30年度にかけて実施予定であった「施工履歴データを用いた3次元出来形計測データの生成手法の開発」における有用性の評価までを平成29年度内に遂行し、具体的な成果として取りまとめることができた。そのため、本研究の進捗区分を「当初の計画以上に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり、平成30年度は「3次元出来形計測データの特長を活かした出来形検査結果の可視化手法の開発」および「3次元出来形計測データ等の維持管理における活用手法の開発」に着手する。 また、平成29年度に遂行した「施工履歴データを用いた3次元出来形計測データの生成手法の開発」における有用性の評価の中で、仕上げ走行時の端部に対するデータ補完等、開発した提案手法の課題や改良に繋がる示唆を得ることができた。そのため、より良い手法の確立に向けて、平成30年度以降も継続して多様な施工履歴データの収集および提案手法の改善・改良を重ねていく。 一方、社会実装を念頭に置いたより良い手法の開発にあたっては、機械学習・AIの台頭、PaaS・SaaSの普及等をはじめとする情報環境の急速な進展と変化の状況を鑑みる必要がある。そのため、平成30年度は、当初想定していた開発環境・体制や活用技術を見直し、時宜を得た開発環境・体制を整えるものとする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、まず、本研究で予定していた全体打合せをインターネットによる遠隔会議や個別打ち合わせ等で何度か代替できたことが挙げられる。そのため、結果として、当初予定よりも本研究費による旅費支出が抑制された。次に、当初購入予定であったラップトップ型WSの購入を見合わせたことが挙げられる。これは、初年度は研究を進める上で必要最低限の物品のみ購入し、開発が本格化する次年度に時宜を得た開発環境・体制を整えた方が最終的により良い成果が得られると判断したためである。 次年度使用額を含めた次年度助成金については、本研究の打合せの旅費に加えて、主に開発環境の充足と開発支援の人件費に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)