2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of X-ray CT image measurement method for local deformation in concrete
Project/Area Number |
17K06522
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
麓 隆行 近畿大学, 理工学部, 准教授 (30315981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩月 栄治 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10278228)
三方 康弘 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60434784)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | X線CT / 3次元画像相関法 / ペースト / モルタル / 骨材 / 圧縮 / 乾燥収縮 / アルカリ骨材反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,載荷状態,乾燥状態,あるいはアルカリ骨材反応などの供試体を対象としたDVCを用いた計測を実施した. 載荷状態の計測では,ペースト供試体および,モルタル供試体を比較対象とし,それらの内部中央に,40mm程度の砕石,レンガ破砕物,およびコンクリート塊を投入した供試体を使用した.最初に5kN程度の載荷状態でX線CT撮影し,その後破壊直前までいくつかの荷重を載荷した状態でX線CT撮影を行った.得られた3次元画像を比較し,載荷による内部の変形をDVCにより計測した.その結果,ペーストやモルタルでは内部で比較的均一に圧縮され,破壊に至るが,粒子を投入した場合,粒子表面付近で局所的な変形を生じ,破壊に至ることがわかった.一方,柔らかい骨材を用いた場合の変形挙動に有意な差が認められたことから,今後確認を行いたい. また,乾燥収縮やアルカリ骨材反応による劣化時の供試体内部の変形を計測するに当たり,同じX線CT装置を用いた数日おきの計測による計測誤差を確認した.その結果,設置位置がずれるものの,計測値への大きな影響はないことが確認された.そこで,直径75mm,高さ150mmのペースト供試体を用いて乾燥収縮試験を,また同形状のモルタル供試体を用いてガラスカレットを混入させた模擬供試体を作製し,長期計測を実施した.その結果,乾燥時の3次元画像の輝度値の変化から,乾燥による見掛け密度の低下がわかること,またそれとともに体積ひずみが小さくなるという現象やひび割れ進展を捉えることができた.一方,アルカリ骨材反応による供試体内部の膨張計測では,供試体の膨張とともに,内部で亀の甲羅状の膨張が計測される結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,コンクリート内部の局所的な収縮・膨張変形計測のためのX線CT画像計測法の開発を目的としている.そのため,本研究で明らかにするポイントは,画像相関法(DIC)によるX線CT画像解析法の開発,短期的,長期的な機械的誤差の補正方法の開発,そして代表的な収縮・膨張挙動の計測による適用性の検証である.研究計画では,2年目には,圧縮載荷時の内部計測の検証,アルカリ骨材反応(ASR)による内部膨張計測の検証などを実施していく予定であった. 実際に,2年目の本年度は,内部計測の初期計測を実施し,圧縮応力下や長期期間の計測に関わる計測精度の確認を実施した.その後,模擬供試体を用いた圧縮応力下での骨材周辺を計測し,考察した.また,乾燥状況での供試体内部の画像計測,アルカリ骨材反応を模擬した供試体内部の画像計測の考察を行うことができた.また,それらの結果から,本年度の計測結果を踏まえて,計測精度向上や試験条件の不足などの課題の抽出ができており,次年度にはスムーズに解決し,計測方法を確立できると考えている. 以上から,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では,圧縮載荷時の内部計測の検証,アルカリ骨材反応(ASR)による内部膨張計測の検証などを実施した上で,コンクリート供試体内部の局所的な収縮・膨張変形を短期・長期的に計測できるX線CT画像計測法を提案することを目標としている. 次年度は,最終年度となることから,収縮・膨張変形を短期・長期的に計測できるX線CT画像計測法を提案するために,本年度実施した結果から得られた問題点の解決と,各種収縮・膨張事例の計測を行い,現象解明の可能性を明らかにする. そのために,まず,撮影解像度を上げて,計測精度の向上を目指す.これまで,0.123mm/voxelであったが,次年度は近畿大学所有の装置の最大解像度である0.0615mm/voxelとする.一方,長期計測時の長さ変化率の計測結果と,画像計測から求まる供試体のひずみに差が生じていたことから,その原因と今後の計測方法の改善を検討する.さらに,昨年度のStephen Hall准教授との情報交換から,新たに凍結による劣化についても開始することとした. 以上の課題を中心に,新たな供試体を作製し,コンクリート供試体内部の局所的な収縮・膨張変形を短期・長期的に計測できるX線CT画像計測を実施し,検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
昨年度,Stephen Hall准教授とのさらなる情報交換の結果,次年度には,凍結による劣化も対象とした実験を開始することとなった.これは,当初予想される結果と意義にも合致する検討内容である.そこで,新たなジグの製造や,X線装置の改良などの費用が必要となり,本年度の残金を次年度に有効に利用することとした.
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Research Products
(7 results)