2017 Fiscal Year Research-status Report
三次元含水率測定方法の開発と多孔質材料表層品質評価への応用
Project/Area Number |
17K06524
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
岩瀬 裕之 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20160111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10155525)
犬飼 利嗣 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30548326)
藤田 一彦 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40249793)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 等比共面電極 / 静電容量 / シラン / 表面含浸材 / 撥水層厚 / 非破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
電極の中心から各電極板中心までの距離tと電極板面積Sの比S/tが一定の等比共面電極を作製した。この電極を用いて静電容量Cを測定する.測定は平行板コンデンサー静電容量の原理を用いている。等比共面電極は,コンデンサーの向かい合う電極が開いて並列に配置された状態である。平行板コンデンサーの静電容量Cは電極板面積Sと電極間に挟む誘電体の誘電率εに比例し,電極板間の距離dに反比例するという特性があり,式C=εS/d (1)で表される。距離tに円周率πを乗じれば電極板間距離dになる。式(1)においてS/dが常に一定の電極とすれば,誘電率εすなわち含水率が深さ方向で変化しなければ静電容量Cは一定となり,εが変化すればそれをとらえることができる. この電極を用いて,撥水層を模擬した供試体を測定したところ,電極板中心までの距離tと静電容量Cとには直線関係が得られた。さらに,この直線の傾きの逆数1/aは撥水層厚に関係し切片bは表層付近の含水率と関係することが得られた。絶乾状態のコンクリート供試体にシラン系表面含浸材を塗布し,コンクリート中に撥水層を形成させた供試体を測定でも,模擬供試体と同様に回帰直線の傾きの逆数と撥水層厚とには直線関係が得られた。回帰直線の傾きを予め求めておくことで,撥水層厚が不明な供試体の回帰直線の傾きから撥水層厚さを非破壊で推定できる可能性を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撥水層厚さの推定方法の原理は開発できた.絶乾状態の供試体に表面含浸材を塗布し撥水層を形成した後に,供試体を水浸させ含水率がほぼ0%の撥水層とコンクリートの吸水率(約6%)まで吸水させた普通層の2層からなる供試体とした場合は撥水層厚さをほぼ推定できた.しかし,実際の構造物を想定した中間の含水率の供試体に表面含浸材を塗布したものでは,撥水層厚さは近い値を推定できたものもあったが,推定できない場合もあった.また,供試体中の含水率に傾斜がある供試体でも推定できない場合もあった.この原因はまだ不明であり,この原因を究明するのに時間がかかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,施工を想定した含水率のコンクリート供試体に表面含浸材を塗布し,撥水層厚さを推定する方法を開発する予定である.絶乾状態のコンクリートと気乾状態のものとは含浸材の浸透状態や形成された撥水層の性質が異なるのか再度調査し,それらの結果をふまえた推定方法を確立する. 派生技術として,コンクリートを打設した型枠中での充填状況を把握できる方法を開発した.打設中にジャンカなどの充填不良箇所やその不良程度を把握できる.今後種々の条件においてデータを収集し,実用化を進める.
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Causes of Carryover |
種々の条件下におけるコンクリートの比誘電率を測定するための,研究分担者との実験準備が遅れたため支出できなかった.次年度は実験を行う予定である.
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