2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Suspension Type High Speed Hammering Test Device
Project/Area Number |
17K06536
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
徳臣 佐衣子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 特別研究員 (40646121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 和也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50190989)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / 打音検査 / 構造物 / 壁面 / 登はん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終目標は,「構造物の壁面を毎分15メートル平米検査可能な打音検査装置の開発」である。そこで,目標実現に向けて,当初次の四つの開発を計画した。(1)300RPMインパクタの開発,(2)屋上左右スライダの開発,(3)フィールド試験・問題点の改良,(4)はつり用ハンマの開発(チャレンジ)。 (1)の300RPMインパクタは,カム機構を取り入れて,平成29年度にすでに完成している。平成30年度はこの装置を用いて,計画通りフィールド試験を実施した。その結果,装置の安定性に課題があることがわかった。これは検査装置が壁面の障害物,例えば窓などを乗り越えるときに,検査装置が回転することがあるのである。この問題は,従来1個のファンで吸着していたところを,4個のファンでおこなうことによって,回転をコントロールできるようにした。また,平成29年度にも取り組んでいた,ファンの騒音問題も,3Dプリンタで8枚プロペラを開発することによって,さらにノイズの低減に成功した。 フィールド試験をおこなって,(4)のはつりについても検討をおこなったが,高所のビルにおいて“はつり”をおこなうと,かなり危険であることがわかった。そこで,最終年度は,検査速度に大きく影響する(2)屋上スライダの開発に取り組むこととした。これは,人が壁面を点検するときに用いるゴンドラを参考に開発する。壁面検査装置は,人が乗るゴンドラに比べて,10分の1以下の重量であるので,スライダ機構は問題なく開発できると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は,「構造物の壁面を毎分15メートル平米検査可能な打音検査装置の開発」であった。その目標実現に向けて,次の四つの開発を計画していた。(1)300RPMインパクタの開発,(2)屋上左右スライダの開発,(3)フィールド試験・問題点の改良,(4)はつり用ハンマの開発(チャレンジ)。(1)の300RPMインパクタの開発は前年度に完成済で,(3)のフィールド試験・問題点の改良に取り組んだ結果,ファンの騒音問題と装置安定性の課題も解決した。(4)のはつり用ハンマの開発はもともとチャレンジ課題であったこともあるが,フィールド試験で検討した結果,危険を伴う作業であることが判明した。そこで,最後の開発課題である屋上左右スライドの開発を最終年度に実施することによって,当初計画の装置開発は完了する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,検査装置の吊り具の左右スライド装置の開発をおこなう。この装置は検査装置を吊るしたままの状態で,左右にスライドできる装置である。この機構は効率的な点検に欠かせない。人が乗るゴンドラでは,ゴンドラを地上に下ろした状態で,吊り具を左右に移動させる。この方法では,上昇あるいは降下の一方向しか点検ができない(同じ個所を上下移動するため)。本研究で開発中の検査装置は,人が乗るゴンドラに比べて10分の1以下の重量であるので,吊るした状態での左右スライド機構の実現が可能なのである。 左右スライド吊り具の開発によって,当初計画した開発はすべて完了する。
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