2017 Fiscal Year Research-status Report
熊本城内の潜在断層による石垣被害拡大に関する物理探査および地震動解析による検証
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17K06556
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山中 稔 香川大学, 工学部, 教授 (50264205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知史 長崎大学, 工学研究科, 助教 (60404240)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 石垣 / 地盤調査 / 物理探査 / 地震被害 / 安定性 / 耐震性 / 地震動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年熊本地震では熊本城が甚大な被害を受けたが,それらの被害箇所は1889年明治熊本地震での被災箇所と多くが重なっている。同じ箇所が繰り返し被災する要因として,潜在断層(弱層)により基盤岩の深度が急変していることで,地表面地震動が局所的に増幅され,弱層に沿う箇所の被害が大きくなったことが考えられる。 本研究は,熊本城内での物理探査を広範囲に行うことで,石垣被害に強く影響したと考えられる弱層(潜在断層)の分布を確認するとともに,基盤が急変する地層条件での2次元地震動解析により,熊本城石垣被害の要因について明らかにしようとするものである。 研究期間内の初年度(平成29年度)は,主に熊本城内での現地調査として表面波探査と常時微動測定により,基盤岩である安山岩の分布深度を明らかにする。2年度(平成30年度)は,主に2次元地震動解析により,基盤深度の急変による地表面での地震動の増幅(加速度や変位量の増大)を検証する。最終年度(平成31年度)は,研究をとりまとめとして,熊本城石垣被災要因の物理探査および地震動解析による検証を行い,今後の石垣修復工事における地盤工学的見地からの施工上の留意点や対応策について明らかにする。 これまでの研究実績として,現地での表面波探査を数測線で実施するとともに,その表面波探査測線上の複数地点で常時微動測定を行った結果,基盤深度の急変は特に見られないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熊本城での復旧工事の進展に応じて現地調査を実施する必要があるが,おおむね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き現地調査を進めるとともに,得られた現地調査の成果を踏まえて,地震動解析に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
その他(機器運搬費)の支出が計画より少なかったため。翌年度分と合わせた機器運搬費の金額として使用計画を定めることとする。
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