2017 Fiscal Year Research-status Report
裸地砂州への植生初期侵入・再萌芽の実態把握と機構解明
Project/Area Number |
17K06575
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戸田 祐嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60301173)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 涼太 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (80432566)
尾花 まき子 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (10447831)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 水工水理学 / 河川工学 / 河川植生 / 初期侵入・再萌芽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,砂州への植生の初期侵入・再萌芽機構を現地調査に基づいて実証的に明らかにすることを目的とし,「対象植物種毎の侵入・再萌芽箇所の実態把握」,「植生侵入・再萌芽箇所の支配要因の特定」,「植生侵入・再萌芽箇所の予測・推定手法の開発」の3つのサブテーマに分割して研究を実施した.サブテーマ1「対象植物種毎の侵入・再萌芽箇所の実態把握」では,UAVを用いた砂州地被状態の撮影を行い,輝度・RGB情報を用いた画像解析より,植生の初期侵入・再萌芽箇所の空間分布を把握した.特に平成29年度は,3年間の研究期間で初期侵入・再萌芽箇所が生じる可能性がある裸地砂州を取りこぼさないよう,出来るだけ広範囲の河道区間で調査を実施した.サブテーマ2の「植生侵入・再萌芽箇所の支配要因の特定」については,サブテーマ1で撮影した裸地砂州に,面的に多数の観測地点を設定し,各観測地点における土砂サンプリングを実施した.サンプリングされた土砂は,埋土種子・残存根の分析用と土壌物理・化学環境分析用に分け,埋土種子・残存根の分析を実施した.以上の観測から,冬季種子散布機関における流水による砂州水際への種子供給プロセスを明らかにした.また,当初予測していなかった植生の初期侵入機構として,砂州上の砂堆背面への風による種子集積機構が存在することを実証的に明らかにした.また,観測成果に基づいて,サブテーマ3「植生侵入・再萌芽箇所の予測・推定手法の開発」の数値予測モデルの開発に着手した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブテーマ1,2の現地観測での実証データの収集が順調に進み,また,モデル開発にも着手しており,当初の研究計画通りに進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
植生の初期侵入機構については,気象条件や洪水履歴が影響するため,引き続きサブテーマ1,2の現地観測を実施し,質の高いデータ収集を進める.予測モデルの開発については,特に平成29年度の観測で新たに発見した砂堆背後への種子の集積メカニズムのモデル化について,重点的に取り組む.
|
Causes of Carryover |
平成29年度は洪水が少なく緊急的な現地観測を実施する必要が少なかったため,観測用の機器,消耗品費,人件費に差額が生じたが,平成30年以降の現地観測に活用する予定である.
|
Research Products
(3 results)