2018 Fiscal Year Research-status Report
グローバルな水環境を考慮した陸圏と沿岸圏をつなぐ新たな水環境インデックスの提案
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17K06579
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石塚 正秀 香川大学, 創造工学部, 准教授 (50324992)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水ストレス / 水環境リスク / 河川水質 / 有害物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、日本の利根川、木曽川、信濃川の水質、世界(インド、マレーシア、タイ)の水質を考慮した水ストレス度PWA-Qを新たに提案し、それぞれの水質項目のうち、水質基準値よりも大きくなったものを使用し算出した。対象とする水質項目をBODや重金属と発ガン性物質や大腸菌の二つのタイプに分けて、それぞれの健康被害の発生確率Rをモデル化することにした。そして、従来の水ストレス度PWA (per capita annual water availability)を用いて、Rを考慮した新たな水ストレス度の算出を試みた。 その結果、日本では、河川水質による影響は小さいが、インド、マレーシア、タイでは、従来の水ストレス度よりも値が小さくなる結果が得られた。日本の水質では、三つの河川の水ストレス度はあまり大きな変化がなかった。原因としては、日本の河川の水質は健康被害が発生するほど悪化しておらず、日本の河川の水質の安全性が高いためである。 一方、世界の水質では、インドの水質は糞便性大腸菌群と重金属の値が水質基準値よりも大きく超えており、本研究の中で最も多く水ストレス度の値に影響が出ていた。また、マレーシアのクラン川では糞便性大腸菌群と重金属両方、リンギ川、セクダイ川では主に重金属が大きな影響を与えていた。タイにおいては、水ストレス度の数値として、大きな変化が出てはいなかったが、水質基準値よりも値が大きい項目があるため、水質を考慮した水ストレス度の値は考慮しない水ストレス度と比較して、低くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グローバルの河川水質データ(GEMS/water)を用いて、水質を考慮した健康被害の発生確率を定義し、新たな波ズスドレス殿の算定を試みた。この点において、データ解析の手順を作ることができた。一方で、解析手順の自動処理については不十分であることから、この点の改善を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
対象とする国を増やして、結果の特徴を様々に検討する必要がある。また、健康被害の発生確率の算定において、改良点があるため、解析データを増やすことで、研究の取りまとめを含めて研究を実施する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅かったため、成果発表が思うように進まず、研究発表や論文投稿ができなかった。 学会発表や論文投稿を積極的に行うととともに、データ解析用のPCの購入やNASの整備などを行い、研究の効率を高める予定である。
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Research Products
(1 results)