2019 Fiscal Year Annual Research Report
Suggestion of suitable design standard of pool and weir fishway
Project/Area Number |
17K06580
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鬼束 幸樹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (20293904)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | fishway / migrate / swimming |
Outline of Annual Research Achievements |
1997年に河川法が改正され,「河川環境の整備と保全」が法に明文化された.2003年には自然再生推進法が施行され,2006年には多自然型川づくりを見直した多自然川づくり基本方針が河川局長より通達された.そのため,魚が遡上できる環境を河川に提供することは必要不可欠である. 魚の休憩場所を確保する方法として,粗石の設置が挙げられるが,水路底面の粗度が魚の遊泳に与える影響は未解明の部分が多い.そこで,開水路の底面に設置した粗石の流下方向間隔を変化させ,オイカワの遊泳特性への影響の解明を試みた.その結果,オイカワの遊泳位置は粗石頂部以下に集中しており,粗石の流下方向間隔が広がると,オイカワの遊泳位置が高くなることが明らかとなった.また,粗石の流下方向間隔が狭い方が,オイカワが粗石を利用して休憩するため停滞率が高くなる傾向があることが判明した. 続いて,魚は変温動物であり水温に応じて魚体温が変化するため,魚にとって適切な水温の確保は極めて重要であることに着目した.また,遡上・降下する際に発電所の冷却水路に取り込まれた魚の約7割が死亡するとの報告があることから,水温の急変が魚に及ぼす影響は大きいと考えられる.しかし,水温が急変した際の魚の行動特性は明確には解明されていない.本研究では,水温の急変がオイカワの遊泳特性に及ぼす影響を検討した.その結果,馴致水温よりも実験水温が高くなるにつれて遊泳速度および遊泳距離が増加すること,逆に,馴致水温よりも実験水温が低くなるにつれて遊泳速度および遊泳距離が減少することが判明した.
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