2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on effectiveness of community based infrastructure development for regional revitalization.
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17K06606
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
徳永 達己 拓殖大学, 国際学部, 教授 (70760726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 智也 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (30705702)
武田 晋一 拓殖大学, 国際学部, 准教授 (70251634)
福林 良典 宮崎大学, 工学部, 准教授 (70812220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Labour Based Technology / 建設(土木)資材支給事業 / 住民参加インフラ整備事業 / 産業連関表 / 事業効果分析 / 構造方程式モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
●「地方創生に向けた住民参加型インフラ整備工法の適用可能性に関する研究」(徳永、武田)、および「住民参加型LBTによるインフラ整備の有効性に関する産業連関表を用いた検証~下條村における建設資材支給事業を例として~」(武田)本研究は、地方創生を図るため、まずは途上国で活用されているLBTの適用事例を検証し、国内の地方部で実施されている住民参加型インフラ整備工法の現況と事業の手順について整理した。さらに、産業連関表を用いて長野県下條村の産業構造と事業効果の分析を行うことにより、LBT/住民参加型工法の国内適用可能性について考察するうえでの基礎的な検証を試みた。これにより、同村の産業構造の分析に加えて、同事業と公共土木工事との比較が可能となった。 ●地域愛着度の評価(国内)(川崎)日本全国における建設資材支給事業の事例を収集し、コミュニティに対する影響の波及効果を分類・整理した。この事例収集は最終年度も継続して実施する予定である。 ●地域愛着度の評価(海外)(武田、徳永)本研究は、地域愛着度の国内事例と比較して、住民参加型の道路工事が行われているタイ国東北部のノンコー村を対象に海外事例の愛着度について評価を行ったものである。現在は国内と同一の書式を用いたアンケート調査を実施し、集計と構造分析を行っている。 ●海外での住民参加型インフラ整備事業の支援アプローチと適用範囲の検討(福林)フィリピンでの,地方行政,住民,NGO連携による渡河部対策工の事業地2か所の事後調査を行った.建設後約4年間の耐久性,地方行政と住民による維持管理の活動を確認した.また,別事業地では施工後1年以内に渡河部への導入路が市の事業地としてコンクリート舗装され,主要道路の代替路として利用されている様子を確認した.住民には生命線としてのインフラ構造物への意識があり,行政と住民が連携して利用し維持管理を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,①下條村で行われている建設資材支給事業のように国内におけるLBT類似事業の現況確認、②産業連関表を用いて、同村の産業構造の分析、および同事業と公共土木工事との比較により、行政側の財政支出および直接・一次波及効果による事業効果の分析、③住民参加型建設事業が地域愛着に与える影響について、国内事例を通じて明らかにした。 さらに第2年次は、下條村と類似した住民参加型工事を行っている福島県伊達市、同平田村、宮崎県綾町、同県延岡市、静岡県掛川市を新たに訪問し、事業の効率性および愛着度の度合い、波及効果について本研究の補足となる追加の調査を実施することができた。 また第2年次は、新たに海外事例としてタイ国東北部ノンコー村やフィリピン国を対象に対象に現地調査を行い、これまで知られていないかった両地域における事業効果についても調査を行っている。 このように、本研究は国内類似事業の事例収集とそれによるコミュニティへの影響の波及効果分析が順調に進んでおり、最終年度においても完了できる見込であるため、「概ね順調」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である第3年次は、引き続き国内各地の住民参加型建設事業について情報収集を図るとともに、海外事例について分析を進める。海外事例については、研究分担者である武田と福林が研究実績を有してるフィリピンおよびタイにおける追加の現地調査を予定している。 このうちフィリピンについては、道路の渡河部対策工について引き続き事例を調査し,海外での住民参加型インフラ整備事業の支援アプローチの提言を行う. 国内においては、本研究の対象地である下條村における研究成果の比較に資するため、引き続き栃木県高根沢町、千葉県袖ケ浦市などLBT類似事業を実施しているいくつかの地域において国内調査も併せて実施し、国内における住民参加型LBTの事業効果の評価を行う。 また本研究の成果発表のため、海外(第18回 International Labour Organization (ILO) Regional Seminar for Labour-based Practitioners, Tunis, Tunisia)の参加や国内のシンポジウム(長野県下條村)の開催も予定している。
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Causes of Carryover |
当初計画で想定していた海外調査を3年次にも実施することになったため、当該費目を3年次へ移行したもの。
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Research Products
(5 results)