2018 Fiscal Year Research-status Report
The prediction and control of traffic violation based on habitual behavior theory
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17K06609
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
東 正訓 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (90238270)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スピード違反 / 計画的行動理論 / 習慣 / 衝動性 / 構造方程式モデリング / 自動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
制限速度超過意図の規定因に関する構造モデルを構築するため、インターネット調査によるデータを分析し、制限速度超過行動の抑制要因を探索した。調査は、2018年11月09日(金)~2018年11月12日(月)の期間中に行った。対象地域は、北海道、宮城県、群馬県、京都府、徳島県、香川県、愛媛県、高知県であった。18-29歳、30歳代、40歳代、50歳代、60歳以上の5つの年齢区分で男女合わせて700人(四国4県は全体で700人)を回収目標として調査を行った。調査対象者は運転頻度の質問で「全く運転しない」と答えた人を除外した。その結果、3510名(男女ともに1755人)のデータをえた。質問紙は、自己報告行動、制限速度遵守意図、制限速度超過意図からなる行動意図、態度、主観的規範、知覚された行動統制感に関係する尺度群に加え、予期された感情反応(肯定的感情と否定的感情の各3項目からなる2尺度)、速度超過運転習慣尺度、衝動性をはかるSPSRQ-RCの日本語版およびフェース項目から構成された。相関分析および自己報告行動(速度超過行動)を最終的な従属変数とした構造方程式モデリングを行った。その結果、速度超過行動は、報酬感受性からくる衝動性、TPB変数における知覚された行動制御感、速度超過肯定感情、速度抑制否定的感情といった感情的態度、速度超過習慣、制限速度超過意図に影響をうけることが示された。知覚された行動制御感は、行動や両意図に特に強い影響をもった。速度超過意図は感情的(衝動性と関連)、自動的で非熟慮的とみられた。制限速度遵守意図は、主観的規範や個人的規範などの熟慮的要因に影響をうけ、行動に直接影響はせず、速度超過意図を抑制して間接的に速度超過行動を抑制すると考えられた。制限速度超過行動を抑制するための効果的介入対象は、知覚された行動制御感や感情的態度、習慣、制限速度超過意図であるとみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
速度超過意図は感情的(衝動性と関連)、自動的かつ非熟慮的な傾向をもつことが示唆された。一方で、制限速度遵守意図は、主観的規範や個人的規範などの熟慮的要因に影響をうけるが行動に直接影響はせず、速度超過意図を抑制して間接的に速度超過行動を抑えるという新たな知見が得られた また、強化感受性理論における報酬感受性の高さを反映した衝動性をはかるための簡便かつ信頼性の高いSPSRQ-RCの日本語版を構成した。妥当性を検討した結果、同尺度は、危険な運転行動を説明するために、有効な説明変数たりうることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、信号無視を対象行動とした計画的行動理論および習慣理論、衝動性を主な規定因とした構造方程式モデリングを行う予定である。実行機能の個人差、危険なドライバーのプロトタイプとの類似性、好意などもモデルに組み込めるかどうかを検討したい。質問内容が確定したのち、対象地域と対象年齢層の選定をおこない、インターネット調査を実施することとする。
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Causes of Carryover |
回収数および値引きによって調査費用が想定額よりも安価となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額を含めた予算枠内で、今年度調査の仕様(項目数、サンプル数)を必要性に鑑みながら計画していくことにする。
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Research Products
(3 results)