2020 Fiscal Year Research-status Report
Optimization of microplastic treatment flowing into waste water treatment plant
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17K06628
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Research Institution | 大阪市立環境科学研究センター |
Principal Investigator |
中尾 賢志 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (00649014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝元 慶子 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (20332447)
尾崎 麻子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (80332435)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 下水処理工程 / 下水汚泥処理工程 / 挙動 / 収支 / 除去率 / 返流水 / 凝集剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
20μm以上のマイクロプラスチック(以下,MPs)について下水処理場の下水および下水汚泥処理工程における挙動と収支を明らかにした。以下に詳細を記す。 1.下水処理工程:下水処理場に流入する下水中のMPs負荷量を100%とすると,汚泥処理工程からの返流水とスクラバ排水からのMPs負荷が加わり最初沈殿池に流入する負荷量は120%となった。最初沈殿池では最初沈殿池汚泥として75%が汚泥処理工程に移行し,45%が反応タンクに流入し,最終沈殿池に流入する。最終沈殿池では38%が余剰汚泥として汚泥処理工程に移行し,7%が急速ろ過池に流入し,急速ろ過設備で2%除去されたあと,5%が処理水として放流される。 2.汚泥処理工程:最終沈殿池汚泥と余剰汚泥,計113%は濃縮槽に流入し,重力濃縮によりMPsは16%濃縮分離液(返流水)として下水処理工程に戻る。残りの113%は濃縮汚泥として遠心分離液負荷量の16%ととともに脱水汚泥供給タンクに流入する。脱水汚泥供給タンクには他の処理場からのMPs負荷量31%が流入する。計144%が脱水工程に流入し,脱水分離液に16%移行し,脱水ケーキには128%が移行する。脱水ケーキを炭化および溶融する工程においてバグフィルタ由来と考えられる2%のMPs負荷が最初沈殿池流入水に移行する。 3.全体として:MPs流入量:流入下水100%+他の下水処理場からの汚泥31%,計131%,MPs流出量:処理水5%,脱水ケーキ128%,計133%,となりほぼ収支はとれている。 4.いかにして除去率を向上させるか:濃縮工程から下水処理工程に返流水として戻るMPs負荷量16%を減少させれば,下水処理場全体の除去率の向上が見込めることから濃縮工程と脱水工程において分離液中にMPsが移行しないように最適な凝集剤の選定を行うために実験を行った。しかしながら,MPs分析は次年度に持ち越した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスによるCOVID-19感染症の蔓延により,顕微FTIRを借りている大学が閉鎖された。これにより,下水処理および下水汚泥処理工程の各工程におけるマイクロプラスチック分析が滞り,研究の進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
下水汚泥の濃縮工程と脱水工程にどのような凝集剤を添加すれば分離液にマイクロプラスチックが移行しないかの実験は終了しているが,マイクロプラスチックの分析に時間がかかっている状況である。分析が終わればデータ解析し,どのような凝集剤が下水処理場におけるマイクロプラスチック除去率向上に資するかを把握することができる。今後は上記研究をすすめ,本研究課題の締めくくりとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により,分析機器を保有する大学が閉鎖になったため,当該年度に予定していた分析にかかる交通費を支出できなかった。次年度は分析機器を使用するための大学への旅費および学会等発表に係る申込費用に充てる計画である。
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Research Products
(10 results)