2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K06655
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小澤 雄樹 芝浦工業大学, 建築学部, 准教授 (50388120)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 木造住宅 / 耐震性能 / シェルター / 応答制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究成果は以下の通り。 1.検討モデルの見直し:これまでは、シェルター底部を基礎に緊結せず、シェルターの浮き上がりを考慮したモデルを用いて検討を行っていた。これは、浮き上がることでシェルターへの過大な入力を抑制するリミッターとしての働きを期待したものである。ただし、浮き上がりを許容することでシェルターの挙動がかなり複雑になる恐れがある。今回、より実際の補強方法に即した検討を行うため、シェルターを基礎に固定したモデルを作成した。その場合、シェルターへ流入する水平力の増大によりシェルターが降伏する恐れが出てくるため、シェルターは既存建物部分と同様のスリップ+バイリニア特性を入力したモデルとした。 2.ダンパー特性の入力:連結部材に粘弾性ダンパーを用いた場合の検討を行うため、粘弾性ダンパーの履歴特性を入力した。ダンパーによりエネルギー吸収を図ると同時に、リリーフ機構によりダンパーヘの過剰な水平力流入を抑制する効果を期待している。解析結果を分析することで、目標とする履歴特性が得られていることを確認し、プログラムの妥当性を検証した。 3.解析的検討とその考察:既存住宅の耐震率、ダンパーの有無、リリーフ荷重・リリーフ速度の違いをパラメータとした解析的検討を行った。既存住宅とシェルターを鋼材等でつないだモデルと比較して、ダンパーを用いたモデルでは既存住宅の応答を大幅に抑えられることが明らかとなった。また、ダンパーのリリーフ荷重を変化させることで、シェルターの耐力に応じてシェルターの負担水平力をコントロール可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析的検討については概ね当初の目標通りに推移しているが、まだ未解明の部分も残されており、今後パラメータを増やしてより詳細な検討を行う予定である。解析的検討が予定より長引いている関係で、実験の方は準備が若干遅れている状況である。翌年度中に試験体の設計・製作を進め、2019年度前半には実験を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初目標よりはやや遅れているものの、順調に検討は進んでおり、現段階では検討方針に変更は考えていない。 2018年度前半は、パラメータを増大させて解析的検討を集中的に進める。ダンパーの履歴特性については十分信頼できるモデルが完成しており、より詳細なパラメトリックスタディを行うことで既存住宅部分の耐震率とダンパー特性の関係が応答に与える影響を把握する。 2018年度後半からは振動実験のための試験体の設計、製作に取り掛かる。後れを取り戻すことに執着せず、信頼性のあるデータを得るために十分な検討を行い、慎重に設計を進める。実際の振動実験は来年度から行う予定としている。
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Causes of Carryover |
実験的検討が次年度に持ち越された関係で、試験体作成費等が今年度計上されていないため、次年度使用額が発生している。 翌年度中には試験体を作成する予定があり、そこで持ち越し分を執行する。 その他の翌年度分請求額についてはほぼ予定通り執行する計画である。
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Research Products
(2 results)