2018 Fiscal Year Research-status Report
外装材挙動を利用する損傷モニタリングのためのMEMS技術開発と振動台実験
Project/Area Number |
17K06666
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
梶原 浩一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 総括主任研究員 (10450256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎田 竜太 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 特別研究員 (20788624)
岡崎 太一郎 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20414964)
長江 拓也 名古屋大学, 減災連携研究センター, 准教授 (90402932)
高橋 典之 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60401270)
松宮 智央 近畿大学, 建築学部, 准教授 (20454639)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MEMS / 外装材 / 損傷モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、前年度に計画した内容に基づく試験体製作と実験を防災科研の大型耐震実験施設で実施した。年度始めより、試験体の仕様書の作成・発注、試験体製作の管理、運搬、設置、加振実験、計測、データ格納、試験体撤去・廃棄について 、実験計画に沿って一連の作業を進めた。 実験では、柱・梁接合部をモデル化した部分構造に効果的に変形を与えるため、試験体を寝かせて振動台固定し、振動台外部の耐力壁に、振動台が動く際に変形を与えられるように固定治具を設置する実験 手法を検討し実験を実施した。入力には定常的な波形を用い、破断までの履歴特性をデータより確認した。 また、E-ディフェンスの3階の木造住宅試験体実験の推進過程にて、部分貸与による計測の公募があったため、それにも応募し、MEMSセンサによる外装材挙動 の損傷モニタリングの機会を得た。外装材となる住宅用のアルミサッシの窓枠と窓用シャッターに着目し、サッシメーカーとシャッターメーカーと協力し、その サッシとシャッター枠への組込を想定して、1階と3階にMEMS加速度センサ、角速度センサを設置し、振動台実験にて、滑り免震にした場合と基礎固定として建 物損傷が発生するまでのデータを取得した。3階木造住宅への入力地震動は、阪神・淡路大震災で観測された地震動を用いている。将来の地震に備えるためのシ ステムへの昇華も意識し、加振中に逐次取得されるセンサからのデータを速やかに震度階にする仕組みも組み込み動作を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
防災科研の手続きとして実施されたHPでの応募に振動台の利用を申し込み、実験計画書と安全計画書の作成・提示、大型耐震の運用委員会への説明を実施し実施の承認を頂き実験を実施できた。建物全体の損傷等を特定するモニタリング手法の有効性の検証に必要なデータを習得出来たため、概ね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
MEMSセンサを用いた外装材の挙動と損傷評価、構造体の損傷との関連については更なる検討を重ねる予定である。 次年度は、当該年度に実施した実験のデータ分析と評価を実験過程での損傷状況と照らして実施し、 防災科研の研究報告書として取りまとめる。 更に、国際誌をはじめとする各学会関連論文の執筆を進める。その際、実験手法を利用しやすく記載・開示することによって、他の研究者が効率的に参照、転用できるように配慮し、耐震工学研究を中心に、実験による各方面の施設の活性化について貢献することを意識する。報告書の内容では、骨組損傷と内外装の損傷の視点から、MEMSセンサを用いた損傷のモニタリング技術につい て、本研究での成果を示す。引き続き研究分担者との連携と研究資源の有効活用をもって研究を推進する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当該年度における研究にて、計画にある既存の資源を有効活用できたことで出費を抑えられたことにある。これについては、次年度の成果報告、論文の掲載費と、データの充実を図るため、防災科研の大型耐震実験施設で実施される小型のフレーム構造の実験に参加し、MEMSセンサを用いた計測に充当する予定である。
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