2018 Fiscal Year Research-status Report
建築土木構造物の外壁全面検査を可能にする偏光赤外線サーモグラフィ法の確立
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17K06668
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
小笠原 永久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (60262408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 浩之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80582907)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 赤外線サーモグラフィ試験 / 非破壊検査 / 偏光 / 背景反射 / 定量的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,赤外線偏光フィルターを利用し,赤外線サーモグラフィ試験時に問題となる太陽光や背景反射の影響を削除する手法を確立することである.本年度は,1.定量的背景反射除去アルゴリズムの構築,2.赤外線サーモグラフィ装置を用いた平板に対する実験を実施した. 1.定量的背景反射除去アルゴリズムの構築 昨年度までに構築した定性的背景反射除去アルゴリズムでは,きずから放射される放射エネルギーと背景反射エネルギーが重なっている場合に,分離することができなかった.そこで,偏光理論に基づくエネルギーの方程式を解くことにより,放射エネルギーと反射エネルギーを定量的に求め,それぞれの値をもとに再描画することで,背景反射を除去し,きずからの放射エネルギーだけの熱画像を構築するアルゴリズムを作製した.放射エネルギーと反射エネルギーが重なって存在する場合でも,分離することができる. 2.赤外線サーモグラフィ装置を用いた平板に対する実験 上記のアルゴリズムを,赤外線サーモグラフィ装置の視野の全範囲で適用できるよう,分光反射率と分光放射率の対面角度依存性を考慮したプログラムをMATLABを利用して作製した.本年度購入した赤外線偏光フィルターおよび赤外線サーモグラフィ装置をりようして,平面に対し適用し,反射の影響を受けずにきずのみの放射画像を抽出することができた.反射に対しては,全反射ではなく,鏡面反射成分のみの値を知る必要があることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究の目的に対し,ほぼ予定通りの研究を行い,満足のいく結果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に構築した定量的背景反射除去プログラムを,実用性を考慮するために,対象材料や幾何学条件を変えて再構築する.またBrewster角を利用した走査型アルゴリズムの構築も実施する.
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Causes of Carryover |
当初予定していた画像処理用ワークステーションの購入を見合わせたため,次年度使用額が生じた.今年度も購入することはせず,処理速度に目をつぶり,研究室所有のパソコンで代用する.使用用途として,偏光子購入と論文投稿費に充当する.
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Research Products
(8 results)