2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者介護環境におけるおむつ使用時の尿臭低減方法の考案
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17K06683
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
光田 恵 大同大学, 情報学部, 教授 (40308812)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 建築環境・設備 / 空気環境 / 室内空気質 / 臭気 / 高齢者介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者の介護環境について、在宅、介護施設、病院で共通の問題であるおむつ使用における尿臭に対する臭気対策を導くことが最終目的である。臭気対策を検討するためには、まず、実際の尿臭測定・分析を行い、主要な臭気物質と濃度を求める必要がある。おむつ使用時の尿臭については、尿がおむつ内に排泄されてから時間経過により、尿臭が変化することが予想される。また、高齢者の属性により、尿臭の強度と臭質に違いがあることも考えられる。そこで、今年度は、高齢者の年齢、性別、病歴や投薬の状況、日ごろの食事などの属性と尿臭の特性の関連性について検討した。また、おむつ内での尿臭の変化についても測定を行った。 測定に用いたサンプルは高齢者尿と、比較のための若齢者尿である。尿を通したおむつを50Lサンプリングバックに入れ密閉し、無臭空気を充填した。その後、体温相当の40℃に設定した恒温槽に入れ、3時間、6時間、8時間後の臭気を採取した。また、ベースとなるサンプルとして尿をおむつに通した時点(0時間)の臭気試料も採取した。採取した各臭気試料について、ガスクロマトグラフにより、定性定量分析を行った。 その結果、若齢者尿はいずれの臭気物質も2ppm未満しか検出されなかったが、高齢者尿は20ppm以上検出される臭気物質があった。また、若齢者尿と高齢者尿では、検出される臭気物質に違いがみられた。さらに、高齢者尿においても、食事、投薬などにより、臭気物質および濃度に違いがみられ、属性と尿臭の特性に関連性が認められた。尿臭の経時変化については、時間経過とともに濃度上昇が認められる臭気物質が目立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画で、使用済みのおむつから発生する尿臭の臭気発生特性をおむつ使用者の属性と対応させ解明するとしていたが、実際に、高齢者の属性により、尿臭の特性に違いがあることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、引き続き病院等の施設の協力を得て、高齢者の属性と尿臭の特性の関係性について詳細に検討するとともに、尿臭対策の検討を進める。
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