2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of small and robust implementation for acoustic impedance in situ measurement
Project/Area Number |
17K06689
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
星 和磨 日本大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50373171)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カーディオイドマイクロホン / 吸音率測定 / 現場 / 内装材 / 音響管 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度作成した特型の木製音響管を用い,1本のカーディオイドマイクロホンがもつ,音圧と粒子速度の比率を得る実験を実施した。さらに,JISやISOに規格化されている吸音率の測定方法と,カーディオイドマイクロホン1本で測定する方法を比較した。その結果,この比率を用いることで,規格化されている方法と同等に材料の垂直入射吸音率を計測できることが確認された。しかし,音響管が完全な剛ではないことから,この比率が他の音響管でも利用できるかどうかの疑問は残った。アクリルやアルミニウムなど,剛とみなせる音響管による検証が必要である。 現場測定でカーディオイドマイクロホンを用いる方法は,これを2本組み合わせて利用する必要がある。この2本のカーディオイドマイクロホンそれぞれの音圧と粒子速度の比率を無響室で測定した。この比率を用いて現場測定へ適用することを試みた。その結果,特に吸音率が低い材料は,この比率を用いないと正確な吸音率が得られないことが明らかになった。しかし,検証は不十分でありさらなる確証が必要である。 さらに,現場測定の可能性を探るため,ノートパソコン,オーディオインターフェース,カーディオイドマイクロホン2本,ポータブルスピーカといった外部電源なしで稼働するシステムを作成した。本システムは,リアルタイムで稼働するため,研究成果のデモンストレーションとして各所で披露している。また,このシステムを用い,建設会社の協力を得て,実際の現場に設置されている内装材の吸音率測定を実施した。その結果,実用的なデータを得ることができた。 以上のように本年度は,カーディオイドマイクロホンの補正方法,現場測定のためのセンサとしての可能性が確認された。また同時に,信頼性のあるセンサとして認知されるためにはさらに精密な実験とデータの積み重ねが必要であることがわかった。
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