2017 Fiscal Year Research-status Report
地方都市における孤島型ニュータウンの住替モデル構築に関する研究
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17K06692
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
眞境名 達哉 室蘭工業大学, 工学研究科, 准教授 (80333657)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ニュータウン / 住替 / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北海道における孤島型N.T型(母都市に接しない離れたニュータウン)の居住実態とその特性を捉え、居住地としての持続可能性を把握することを目的とした研究である。 本年度は北海道室蘭市の白鳥台N.Tを対象に、全3425世帯の住民基本台帳、および平成27年度の都市計画基礎調査を用いて、「調査1」では住民の流入・流出の悉皆調査を行った。また「調査2」では他のニュータウン(帯広市大空団地)を比較すると共に、白鳥台N.Tについては、コミュニティ活動・意識に関して全世帯へのアンケート調査を行った。 調査1の結果より、1)白鳥台へは約40%が中古住宅へ手移入していること、2)また中古住宅の43%は公営住宅からの転入であること、つまりニュータウン内もしくは室蘭市内での異動が大半であること、特に公営住宅が人口流入のポンプ機能を持つことが明らかになった。 また、調査2の結果では、3)白鳥台N.Tに関しては、5-9歳の人口が流失していること、一方で大空団地では流入が見られること、4)特に白鳥台N.Tの公営住宅居住者ではコミュニティ活動が低いことを明らかにした。その他、白鳥台N.Tでは、地域住民の特に連合町内会で行う行事が大空団地に比べ少ないことなどが把握され、これらより、白鳥台N.Tの子持ち世代の流出、特に公営住宅の子持ち世代の流出には、これらの催事開催回数や町内会不参加などが関連していると想定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は全道にある145地区(札幌以外は96地区)のN.Tを対象に分類を行う予定であったが、北海道立総合研究機構北方建築総合研究所らと協同で調査が行えることになり、また室蘭市の全面的な協力もあり、室蘭市白鳥台の調査を重点的に行えることになった。 結果的には次年度以降行う予定の調査を前倒しして行うことができ、次年度以降行うべき研究課題も抽出することができたため、「順調に進行」という判断を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、白鳥台での調査に関しては、1)町内会活動などの実体的なヒアリング調査、2)公営住宅居住者のコミュニティに関する意向調査、3)全住民におけるまちづくりの方針把握について調査を行う。また、白鳥台N.Tと同様な状況にある帯広市の大空団地を比較対象にし、4)大空団地における活発なコミュニティ活動の実態調査、5)これら活動による公営住宅居住者のコミュニティ指向の上昇効果について調査を行う予定。
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Causes of Carryover |
当初は全道にある145地区(札幌以外は96地区)のN.Tを対象に分類を行う予定であったが、北海道立総合研究機構北方建築総合研究所らと協同で調査が行えることになり、また室蘭市の全面的な協力もあり、室蘭市白鳥台の調査を重点的に行えることになった。 よって、他都市に関する文献調査が本年度以降当てることを予定する。
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Research Products
(2 results)